昭和初期の作家である海野十三の作品。作者は逓信省電気試験所に勤務の傍ら、科学小説を書き続け、後に日本SFの父とも呼ばれる。初出は「サンデー毎日」毎日新聞社、1938（昭和13）年］。後に「東京要塞」［ラヂオ科学社、1938（昭和13）年］に収録。非常警戒網が引かれたある夜更け。ある酔っぱらいが歩いていると、一人の男が近づいてきて酔っぱらいを投げたり殴ったりした末にお堀へ投げ込んでしまう。しかし警戒をしていた警官は何もしない。一体どうした事か？この出来事には名探偵・帆村荘六のある目的が込められていた。