まさに「戦慄のエロティシズム」
★★★★☆
ベルメールの素描は実に見事である。
絵の上手い画家は勿論たくさんいるが、この偏執狂的ですらある緻密な描き込みは、思わず息を呑むものがある。
その技術で仲間達のリアルな肖像も描くが、エログロの入り乱れる幻想世界をも描き出す。
さらに色彩をほどこせばそれも鮮やかで、またデカルコマニーのような偶然の効果をも取り入れてくる。
その目くるめく世界の虜になってしまった。
エログロに興味のない方にお薦めはしないが、ベルメールに興味のある方は、
日本では貴重な画集でもあるので、是非一度。