あの悪名高い「恋空」のテーマ曲を歌っていたこともあって、あえて聴き逃していた。
芸術性はまだ完成途上だが、決して中途半端な実力ではない。伸びしろはまだあると見る。歌唱力もあり、宇多田ヒカルや青山テルマに劣らないR&Bのセンスを感じる。ただ、あまりアギレラを意識しすぎない方がいいかもしれない。
シングル曲のLuckyよりも、自分はむしろカップリングのRain-bowが好きだ。「雨上がりの虹の歌」は既に使い古されたテーマだが、彼女の歌詞と独特の歌唱は、一青窈のように叙情的で美しく切ない感受性豊かな女性の世界観を創り上げている。あえてRain-bowとハイフンを入れたタイトルから、虹よりも心に哀しく降る雨を自分自身に重ね合わせている姿が、哀感があってとてもいいと思う。
最近のＪ−ＰＯＰ女性アーティストは小ぶりなのが哀しいが、久々に出た、BONNIE PINKや椎名林檎クラスの可能性を秘めた人材かもしれない。彼女の真価は今後出るであろう1stアルバムで問われるだろう。
YUIのように楽曲の受け手を低年齢層に設定すると、せっかくの才能がつぶれてしまう。例えなかなか売れなくても、少年少女の共感しか呼ばないレベルの低い歌や、浜崎や大塚、加藤など他のエイベックス系列所属女性歌手のような下らない歌は一切歌わないで欲しい。長い目で見れば、普遍的で、大人になっても聴ける歌を歌ったものだけが生き残れるのが芸能界なのだから。

力強い歌声で、聞く人を揺さぶる。自分で作詞、作曲というのも素晴らしい。何故こんなにレビューが少ないのか不思議だ。

有線から知りました。

力強い歌声。
ドキッとするような歌詞。
（『二人でいたベンチなんかいっそ燃やそう』とか）
ブラックミュージックっぽい曲調。

それらがかっちりマッチして、ＢＧＭとして諾々と聞き流していた「音」の中から耳にひっかかってきました。

ちゃんと歌詞を読むとまた深いです。

ご本人の体験を元に作られたらしく、別れた彼氏を「今までで一番最低の男」だと自分に言い聞かせ、「いつかバチがあたるんだから」と突き放しておきながら、それでも忘れられない思い出に囚われてしまう切なさがヒシヒシと伝わってきます。

まだ新人さんという事で、これからに期待をこめて４つに抑えさせていただきました。