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枯草の根 陳舜臣推理小説ベストセレクション (陳舜臣推理小説ベストセレクション) (集英社文庫)

価格: ¥880
カテゴリ: 文庫
ブランド: 集英社
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江戸川乱歩賞受賞作として期待して読み始めた。 ★☆☆☆☆
陳舜臣という人は、さまざまな文学賞を獲得して、現在は大家として扱われている。芸術院会員だそうだ。

しかし、彼の文章は、お粗末。

『枯草の根』は、中華料理店主の陶展文が謎解きをするが、ストーリーの展開が単純過ぎる。作者による工夫のあとが見当たらない駄作である。

意味不明の中国語や漢文もいろいろ出てくる。日本人の読者にとって、効果的な読解材料の配置とは、到底思えないのだ。作者の自己満足に終わっている。

唯一のトリックが元銀行経営の李源良がニセモノであったことだ。この事実を隠すため、本物を知る人たちを殺すという筋立てにも、私は、感心できない。

私は、江戸川乱歩賞受賞作をいろいろ読んでいる途中である。本作品は、受賞作の中では、最低クラスのものであろうと思われる。

乱歩賞 ★★★☆☆
 昭和36年に第7回江戸川乱歩賞を受賞して、著者の処女作となった作品。
 中華料理店主・陶展文が探偵役を務めるミステリである。
 神戸在住の中国人たちを描き、その特殊な世界ゆえのトリックが使われている。後年のミステリ作品ともずっと通底する世界観であり、その出発点としても興味深い。
 処女作ということもあって、いろいろと不満の残る部分はある。しかし、味わい深い文章、描かれる人間のおかしみといった部分は既に強烈。
 読んでおくべき一冊だろう。