Easy and enjoyable to read
★★★★★
表題作の The Fall of the House of Usher は、地下室の墓に埋葬した妹が壁を破って兄のもとに戻ってくる怪談ばなし。このほか、モスケンの大渦巻きに巻き込まれ、一夜にして髪が真っ白になった漁師の話、探偵の元祖ムッシュー・デュパンの活躍する「モルグ街の殺人」、「盗まれた手紙」なども収められています。
ポーの原文は易しいとは言えませんが、本書は学習者用 Retold 版ですから、あまり四苦八苦せずに読めます。たとえば、[盗まれた手紙]末尾に引用された詩の一節、原文では Un dessein si funeste, S'il n'est digne d'Atree, est digne de Tyeste (「かくもむごき企みも、ティエストには、まこと応報なれ、アトレには当たらずとも」中野好夫訳)とあり、お手上げですが、Penguin シリーズのレベル5では、A trick so daring requires one more daring to better it、レベル3の本書では、Your trick was brave. Mine was braver と意訳されていて、これならよくわかります。