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長春五馬路 (講談社文芸文庫)

価格: ¥1,365
カテゴリ: 文庫
ブランド: 講談社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:木山捷平/〔著〕 出版社名:講談社 シリーズ名:講談社文芸文庫 きC10 発行年月:2006年04月 関連キーワード:チヨウシユン ウ-マロ コウダンシヤ ブンゲイ ブンコ キ-C-10 ちようしゆん う-まろ こうだんしや ぶんげい ぶんこ き-C-10、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253、 コウダンシヤ コウダンシヤ 2253 こうだんしや こうだんしや 2253 長春で敗戦を迎えた木川正介は、毎日五馬路に出掛ける。知り合いの朝鮮人の配下となり、大道ボロ屋を開業して生きのびている。飄々として掴みどころなく生きながら、強靱な怒りにささえられた庶民の反骨の心情は揺るがない。深い悲しみも恨みもすべて日常の底に沈めて、さりげなく悠然と生きる。想像を絶する圧倒的現実を形象化した木山文学の真骨頂。著者最後の傑作中篇小説。
絶望することなく飄々と、淡々と ★★★★☆
満州国新京(長春)で終戦を迎え、
その後1年、その地で難民生活を送った作者の
分身のような人物が主人公の中篇。

ボロ布を売って糊口をしのぐという底辺に近い生活の中で
そしてロシア軍・国民党軍・共産党軍に満州国残党までが
入り乱れて小競り合いを繰り返す混乱した治安状況の中で、
絶望することなく飄々と、しかし力強く行きぬく人々の姿が
特に女性たちの生活が生き生きと、そして淡々と描かれている。

声高に反戦を訴える小説も「正しい」のであろうが
時に反道徳的な手段で飄々と生き延びる強かさに
心のどこかが麻痺しなければやっていけない、
ひんやりとした怖さが垣間見える。
長年掛けて作者の脳裏に析出・結晶した終戦直後の長春 ★★★★☆
あの戦争が終ったばかりの長春では、十万もの日本人が死んだというが、この作品に、それらは表だっては描かれない。日常、何が起きようが適応して生きてゆく人がいるし、適応できない人もいる。ボロ市のたつ五馬路を主な舞台に、主人公をめぐって展開する諸事、人々(特に女性)の姿や行動が、淡々と時にユーモラスに描かれる。最後の場面だけは、満州国に対する風刺か。

この小説を読んで、登場する人々がそれぞれ魅力というか個性をおびた生き方をしていると感ずる。あの戦争を思想的に支えた「日本浪漫派」に参加した作家の作品とは思えない。この作品は、著者の長春体験から20年余にわたって書き継がれ、没後間もなくにして発表された。長い間に木山の脳裏で析出し結晶したことが描かれていることになる。登場人物にも出来事にも、輝いているのはそれら結晶である。