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グローバル人材が知っておくべき20世紀史

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カテゴリ: Kindle版
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21世紀を「生きる/作る=変える」ためには、20世紀を知っておくことが不可欠だ。
現在、我々が生きている21世紀は、言うまでもなく20世紀の延長上にある。そして、
我々が直面している問題のほぼ全ては、「20世紀の負の遺産」だ(無論、「正の遺産」もある)。
従って、これらの問題解決に挑むなら、20世紀を知っておくことは、不可欠なのだ。
「20世紀を知る」ことは、我々の「歴史」を知ることであると同時に、「現在」の
我々自身の轍を確認する行為でもある。それは、19世紀以前の「知識としての歴史」とは、
本質的に異なる作業だ。そこには、21世紀を生きる我々のアイデンティティーを確認するという意味がある。
20世紀は「歴史」でもあるが、「記憶」でもあるのだ(2012年現在、地球上に生存している70億人の
人類のいまだ過半数は、20世紀に生を受けているはずなので、それはまさに字義通りの自己確認行為に他ならない)。
自分の問題を解決する際、まず「事実の客観的な把握」が必要だ。
それは、「事実=問題」と「自己」との「関係=方向性+距離感」を把握する行為だ。
そして、眼前の事実(=現象)には、必ず原因がある。個人にとっての「原因の究明」は、
社会にとっては「歴史の究明」という作業になる。
詳細は本文で述べるが、20世紀は「国民国家」が世界化した世紀だ。民主国家だろうが、
専制国家だろうが、宗教国家だろうが、現在地球上の国家は全て「国民国家」だ。
そして、全ての国民国家は、その構成メンバーである国民の存在を前提にしている。

しかし、人は「国民」として生まれてくるのではない。国民として育成されるのだ。
その育成を担うのが「国民教育」であり、「歴史教育」は「国民教育」を構成する最も基本的な要素だ。
歴史教育の第一の目的は、「国民意識の醸成」に他ならない(従って、あらゆる国にとって、
自国の歴史は常に美しいお伽噺にならざるを得ない)。
確かに、日本でも高校卒業時点で10年以上も歴史を学んでいるはずだが、それはまず
「国民意識の醸成」が目的なのだ。従って、「現在の問題解決のため」に「客観的な因果関係を知る」
という観点からすれば、現状の歴史教育は不十分だ。

第一の問題は、現代史にかける時間が乏し過ぎる点にある。現状では、大学入学者の多くが
大学入試のために歴史を学び、その多くが「現代史」を知らずに大学生となり、知らないまま
卒業し社会人となっている。時を経れば、知っておくべき「歴史の量」は増える。
このまま放っておいたら、事態は悪化するばかりだ。

第二の問題は、日本の歴史教育が「世界史」と「日本史」に別れている点にある。
世界がまだ地域的に分断されていた近代以前の状況を把握するには、このフレームにも妥当性はあった。
同時に「国民意識の醸成」にとっても確かに便利なものだったろう。

しかしながら、現在の世界の問題を知るには、「世界史」と「日本史」を分けることは、
むしろ足かせとなっている。特に、「ベルリンの壁の崩壊」で冷戦構造が終了した1990年代以降、
重要な構造的問題のどれ一つをとっても、国内問題として完結するものは存在しないと言っていい
(例えば、本来は国内問題としての「雇用問題」は、今や世界の経済問題と切り離して論ずることはできない)。
「グローバリズムの時代」とは、全ての国内的な問題が、地球上の他の地域ともリンクしている時代を意味する。
我々は、まさに「グローバル(地球規模)」な視点で問題を観るべき時代に生きているのであり、
20世紀を理解するのに「日本史」と「世界史」を分けて理解するのはナンセンスと言わざるを得ない。
現在の「グローバルな世界」における問題の多くは、既に「国境」を越えた脱「国民国家」的な、
極めて「21世紀的」な世界に移行しているのだ。ますます「国内/国外」を分けて認識することが、
有効性を失いつつある(ついでながら、現行の大学の多くが「政治」と「経済」を
学部や学科として分けているが、既に「国民国家」は「産業主義国家」となって久しいのであり、
この両者を分けて学ぶことも甚だナンセンスと言わざるを得ない。この点において、
早稲田大学の「政治・経済学部」は数少ない例外だ)。

本書は以上の観点に立ち、「国民として、あるいは学問として歴史を知る」のではなく、
21世紀を真っ当なビジネスマンとして生きようと覚悟する若者にとって、必要な「基礎知識としての20世紀」を
整理したものだ。記述は勢い「網羅的」で「出来事」を追い、単純な「図式的」になっている。
歴史の専門家からすれば、「学問的には物足りない」との評価は承知の上だ。評価の基準は、
第一に「ビジネスで使えるかどうか」であり、第二は「面白いかどうか」だ。この視点での評価は甘んじて受けよう。
コンセプトは、「大局観」と今にいたる「流れ(Context)」で理解する、ということ。
全体像を理解した上で、更に個別の事象について深く知りたいと思われる向きには、
その手引となるように、引用文献リストを用意したので参照されたい。