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チーズの値段から未来が見える

価格: ¥1,470
カテゴリ: 単行本(ソフトカバー)
ブランド: 祥伝社
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経済予測のプロが未来予測の方法を教えてくれる ★★★★☆
 新聞やテレビで経済見通しを偉そうに語っている経済評論家は多いが、視聴者はいちいち内容を覚えていない。予想が当たったか外れたかを検証することは少ないし、外れても問題はない。
 一方、証券会社のエコノミストの予測が当たるか外れるかは、実際に資金運用している顧客にすれば大問題だ。顧客から常に厳しい評価を受ける宿命にある業界に著者は所属している。予測結果がすべてのこの業界で、上野氏は6年連続で人気調査第1位を獲得している実力者らしい。

 その経済予測のプロが未来予測の方法を教えてくれるのが本書である。

 上野氏の持論では、今の日本経済には「3つの特徴」がある。
その3つとは、

・ 輸出主導
・ 根強いデフレ圧力
・ 「格差型景気」

である。


 日本経済の将来を考えたとき、「個人消費」「設備投資」「輸出」のうち、景気を牽引する要素は何だろう。

上野氏はまず「個人消費」を分析する。
・ 日本は人口減少時代に突入している
・ 資産の大幅な値上がりも見込めない
・ 借金については、慎重に行おうとする国民性に基本的な変化はない

 したがって、「個人消費」が経済を主導するのは難しく、「設備投資」も減速している。日本経済を牽引するのは、3つめの「輸出」しかない。

 結論だけ聞くと、誰でも言えるような気がするが、上野氏の真骨頂は、日常感覚で読み解くこと。書名にもあるとおり、スーパーで買い物するときチーズなどの食品価格の変化をウォッチしているし、ガソリンスタンドの値札を2〜3ヵ所チェックする。
 こうした地道な努力の結果、チーズが値上げを発表したばかりの2006年3月、上野氏は「チーズの値上げは浸透・定着しにくいだろう」と予測した。そして、みごとに的中させた。

 そんな著者の予測。ちょっと読んでみたいと思わないか。
読むべき価値は大いにあり ★★★★★
マーケットエコノミストとして評価が高かった著者がどんな
ことを書いているか、興味深く読んだ。

評者も同様の仕事を経験したことがあるが、その時に感じていた
ことや、注意すべき点を、やさしくかつ懇切丁寧に語っている。

タイトルの印象からすると、きわもの的な感じを受ける向きも
あるかもしれないが、内容は正反対で、極めてオーソドックスに
マーケット分析・予測のノウハウを披露している。

著者の一つ一つの指摘を取り上げて、「大したことないじゃん」
という評価もあり得よう。ただそれは、浅薄な見方である。

学問に王道がないようにマーケット予測にも王道はないし、「裏情報」頼みの
自分の頭で考えようとしない怠惰な投資家が増えている中で、ぜひ著者の
手法を真面目に受け止めてほしいと思う。
「速い」「安い(コンパクト)」「上手い」! ★★★★☆
市場関係者の間でも、その金融市場レポートが
「速い」「安い(コンパクト)」「上手い」と評判の
マーケット・エコノミストによる初の単著である。

インサイダーな情報に頼らず、公開されている情報を中心に、
シナリオ構築する力こそエコノミストだという姿勢は
凡百のエコノミストをたじろがせる王道である。

本書後半の庶民感覚から経済を見ていくスタンスは
氏のレポートでもたびたび言及されているものであり
判りやすいながらも、地に足の着いた分析手法であろう。
経済の見方に関するフレームワーク ★★★★★
GW中に一読した。
世の中、経済学や自説を展開している本は沢山ある。
しかし、経済のフレームワークを丁寧に解説した本は少ないように思える。
この点、本書は「景気」「物価」「財政政策」「金融政策」のポイントを軸に、実に分かりやすく記載されている。
もちろん、経済はエコノミストの数だけ見解があることから、筆者の見解が必ずしも正しくはないかもしれない。
しかし、それを差し引いてもよく出来た入門書だと思われる。
1400円。マネー紙を読むなら、こういった本を読んで欲しい。
正攻法の経済予測を勧める ★★★★★
最後の第5章には練習問題まで付いていて少しびっくりしたんですが、第3章と第4章あたりが読みどころなんだと思います。でも、私が大いに同意したのは、著者が何度も書いているように、経済は「素直」であり、「ひっかけ」はない、ということと、同じことの別の表現なんですが、「裏ネタ」を知る必要はなく、公表資料で勝負、という点です。従来から、市場撹乱的な要因を過大評価するのは疑問だと私は考えています。また、著者は債券エコノミストなんですが、一昔前の証券エコノミストなんかは、今で言うところのインサイダー取引スレスレの情報を有り難がるような向きもなくはなかったように記憶しています。マーケット・エコノミストにとっては情報は多いに越したことはないんでしょうが、情報収集の上にフィルタリングをかけてシナリオを描く分析能力が勝負というのが本筋だと私も思います。
とってもいい本なんですが、難点を2点だけ上げると、まず、第5章の練習問題はヤメていただきたい。もちろん、著者の問題ではなく、明らかに編集者の問題だと思いますが、最近の流行りになっているボックス囲みのコラムか何かで処理できなかったものでしょうか。それから、これは著者の問題だと思うんですが、推理小説好きの著者とはいえ、204ページでデニス・ルヘインの『シャッター・アイランド』を勧める力の入れようは、大きな唐突感があります。私は『シャッター・アイランド』を読んでいるからいいんですが、知らない人はもっと大きな唐突感を感じるんではないかと思います。加えて、私のような読んだ人間には、ルヘインなら代表作は映画化もされた『ミスティック・リバー』ではないのか、という気がしないでもありません。お会いする機会があれば質問してみたいです。でも、この2点とも瑣末な点ですから、とってもオススメ出来るいい本だと思います。