タイトルからもわかるように、本書には、CGクリエイターが学ぶべき、人体のしくみが記されている。人間の骨格から筋肉、脂肪、各種器官にいたるまで、あらゆる部分を図示し、そのしくみや自然な動きについて解説している。著者は、東京芸術大学の非常勤講師で、解剖学と美術を結びつけた「美術解剖学」を専門とする桜木晃彦と、同じく東京芸術大学の博士課程で美術解剖学を学ぶ武田美幸。人体の各パーツに関する解説は極めてシンプルながら、要所を的確におさえている。
図を見ながら解説を読み進めていけば、人間らしい動きの秘密に迫ることができるだろう。掲載された人体のサンプルを見ながらCG作成の勘どころを身につけられる、画期的なテキストである。(土井英司)