メンバーがメイクをしている、Make-up verのDVD付き、初回盤C
★★★★☆
8人編成となり、初のシングルで通算42枚目。Make-up verのDVD付き、初回盤C。
思うに「リゾナント ブルー」以降、モーニング娘。の曲は方向性に全くブレが無く、一本の道を貫いている。だが同じ事の繰り返しでは無く、作品毎に毎回違ったカラーを提示しており、本作「女が目立って なぜイケナイ」も、これまでと路線は変わらないが、前作までとはまた違ったカラーを持っている。タイトル曲は、けたたましいキーボード(実際には、コンピューターでプログラミングされた音だろうが)と、切れ良くかき鳴らすアコースティック・ギターを中心に構成された、ダンサンブルかつ、勢いのある楽曲。1曲目とは打って変わり「泣き出すかもしれないよ」は、スローでムード感のある曲。メロディが強力とは言えないので、何となく聴いていたら印象に残る部分も無く曲が終わってしまった・・・なんて事になるかも知れないが、これをコンサートでシアトリカルな要素をプラスして披露したら、カッコいい感じになりそうな予感。
DVDには、メンバーが楽屋でメイクをしている映像を収録。といっても、PVの舞台裏といった感じでは無く、メイクしながら歌っているので、この映像自体がPV用の演技と思われる。
ファンや世間が思い描く「モーニング娘。像」がどうであれ、モーニング娘。は常に走り続けている。モーニング娘。には、もっと明るい曲を歌ってもらいたいと思っている人も居る事だろう。だが、モーニング娘。のメンバーは、歌手であり、アイドルであり、タレントであると同時に、表現者である。ただメロディをなぞって、機械的に歌うのでは無く、感情導入をして歌詞の世界観を聴き手に立体的に伝える表現者でもあるのだ。今のモーニング娘。は、メンバーのほとんどが20歳を超えている。今のモーニング娘。の新曲が「スキちゃん(本来はスマイレージの曲)」だったとしたら、それはリアルには聴こえない。「女が目立って なぜイケナイ」の歌詞を見て、個人的にイメージしたのは「自信に充ち溢れ、プライドの高そうな女性」なのだが、そういった歌詞は今のモーニング娘。が歌う事によって、よりリアリティを増して響いて来るのではないか。勿論、聴き手を飽きさせないように、クールな曲、明るい曲、面白い曲等、バランスの取れたリリース順を組むのがベストであろうが、クール路線で難易度の高い楽曲を、巧みに歌いこなせるメンバーがいる事自体、立派な事だと思う。