古事記や日本書紀は口語化されただけでは読めない
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古事記を現代文で読もうと思えばいくらでも本は出ている。が、解説がないと何が何だか分からなくなってしまうのである。
この本の良いところはすぐ下の欄外に解説が載っていること。そのため読みやすい。
解説が恣意的だとか誤っているという評価もあるが、本当に一度も古事記を読んだことのない人間が手にとるには良い本である。
日本の神様達の物語を優しく正確にリメーク
★★★★★
古事記は講談社からも現代語訳つきの文庫本がでていますが、本書は原文を書かずに現代語訳だけ(注釈有り)が綴られており、学術的要素を排して物語風なタッチに仕上がっています。幅広い年代層に古事記を味わってもらう事が目的なのでしょう。別天津神の天地開闢では『なにもなかった・・・・。』(原文に無し)に始まり、その五神の出現は静かな日本風ビックバンみたいです。初の夫婦神から天照大御神と須佐之男命が生まれ、須佐之男命が悪さを重ねて高天原から追放されたものの八岐大蛇を退治し一躍スターダムにのしあがった話や、大国主神の国譲りと邇邇芸命の天孫降臨、海幸彦と山幸彦の話、日本武尊が山の神を見下して惑わされた結果死んでしまった事など、日本人の精神性の奥深いところにある源流に解りやすく触れて、日本(人)について考える事が出来る良書です。
『自国の神話を知らない民族は必ず滅亡の運命を辿る。』と外国の作家(?)が過去に言っていました。正しい歴史認識もそうですが、世界に誇りを持てる民族意識の根底には、神話を読み味わう姿勢も重要な役割を演じるのです。
日本の神話の原典。一回は読んでおきたい。
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海幸彦、山幸彦とか、習ったことはあるけど、本当はどんな話?
とか、神様達のお話はちょっとだけ聞きかじって知っている事が多い。
手塚治虫さんの漫画で、ちょっとだけ古代にふれたりして知っていることもある。
本当の所はどうなってるんだろう?と思い立ったら、なるべく原典にあたりたい。
そうはいっても、昔の言葉そのものでは、読む事すらできない事もある。
そんなとき、口語訳の本があるとありがたい。
より深い日本史に進んでもよし、万葉集とかなじみのある古代原典に進んでもよし。
そんなきっかけになりえる、とっつきやすい古事記。
日本の古典が気になりだした方におすすめできる、よい本です。
日本神話の世界をオリジナルに近い形で味わうことができます
★★★★☆
この本のよいところは、
昔聞いたことのある日本神話の世界をオリジナル(というかそれ以上の伝承)に近い形で味わうことができること。そういう意味では、声に出して読むのもいいのかもしれません。
反権力性の偏りはあるものの、注や前後の論文で一つの解釈が示されていて日本神話の背景を垣間見ることができること
でしょうか。
系譜については、読むのは相当にしんどいので、読みとばしました。
面白い VS 難解、さあ どっち?
★★★☆☆
読むのにすごく時間がかかりました。それだけアタマの中が軟弱になってるってことかなそれとも、やたら出てくる神様の名前にお手上げだったってことかな。でも、何となく知っている日本神話に詳しくなれました。アマテラスが何故天の岩戸に隠れたか、意外でしたね。神様間に血縁関係は、あんまりよく分かったとは言えませんが・・・。
この本のいいところは、原文にはない文章を挿入して、分かりやすくしてくれているところ。ときどき、ツッコミもあったりして、うれしかった。ページの下1/3が脚注になっていて、これまた読みごたえがあるんですよ。高志というのが、福井地方の古名だったとか、初めて知ったことがいっぱい。世界の同様な伝説では上手く成功するのに、因幡の白兎はワニにやられちゃうワケなんて、へえ~×10です。時間とアタマに余裕のある人にお勧めです。