広くはないが丁寧で役立つ内容
★★★★☆
C言語の普通の入門書には載っていない題材のうち,
・要求される予備知識やスキルの上で入門書と飛躍がなく,
・プログラムに実用性を求めようとしたときにネックになる
という条件を満たすものの,かなりの部分を説明している.入門コースや入門書の内容から応用や卒研への橋渡しあたりの定番の知識の少なからぬ部分を披露した内容と言える.扱われているのは主に乱数,時計,入出力.そのため,C言語の標準文法や標準ライブラリから少しはみ出す部分も当然含まれる.アルゴリズム,データベース,ライブラリ開発あたりは扱っていない.
説明の仕方は,C言語のコース(入門の次あたり)の課題を出して,それに沿って関連事項を非常に丁寧に説明するというものである.だから,積極的な一部の大学生あたりにはきっとド真ん中だろう.一方で,とっつきやすいリファレンスとしての利用を考えている人にとっては冗長な書き方だと言えるし,題材が広くないことは不満要因となるだろう.