旅路の果て
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携帯向け配信サイトで好評を博した『痴漢電車日記』の作者、小玉オサムの作品。
定年を迎え悠々自適の生活を送っている主人公徳さん。年下の中年男梶木と付き合っていて、身体の相性は最高だが、ことが済むと梶木は妻の悪口など愚痴が多い。徳さんは妻に先立たれ、子供も独立している。
気ままに旅行に行こうと思い立ち、旅行会社に出向く徳さん。行き先を迷っていると、居合わせたカナダ人のジェイクがバンクーバーを勧めてくる。ジェイクは日本での赴任生活を終え、バンクーバーに帰るところで、旅先をカナダにして訪ねてきたら?と誘ってくる。
気まぐれに目的地をバンクーバーにして、ジェイクの家を訪ねると、すぐに抱き寄せられ関係を持ってしまう二人。ジェイクは徳さんに一目惚れで、移民して一緒に暮らそうと真剣に請う。にわかに本気ととれなかった徳さんだが、バンクーバーでの自然体のゲイライフを目の当たりにして、考えが変わってくる。
日本での生活、恋人を捨てて、白人の熊男と海外で暮らす。もしそんな提案がなされたら……。
初出『豊満』。前後編で掲載されたものをひとつにまとめてあります。