アメリカ西海岸を中心に活動しているジャズ系ヴォーカリスト、カーラ・ヘルムブレクトとアメリカ在住の日本人ギタリスト、笹島明夫のコラボレーション作。カーラはこれまでソロ・アルバム2枚（『One For My Baby』『Be Cool, Be Kind』）をHeart Musicから発表していて、これは通算では3枚目の作品。2001年発表のセカンド作は、“最優秀新人アーティスト”などグラミー賞3部門にノミネートされ、当時話題になった。

   さわやかなヴォーカルとギターの組み合わせといえば、タック＆パティやフライド・プライドを思い出すが、それらに比べると、よりゆったりとした雰囲気の作品で、いわゆる癒し系ウィスパリング・ヴォーカルの色彩が濃い。シャーデー、イヴァン・リンス、チャカ・カーン、ヴァネッサ・ウィリアムス、リビー・タイタス、スティーヴィー・ワンダーなどのポップ曲をジャジーなアレンジで歌っていて心がなごむ。タイトル曲はシャーリー・ホーンの歌で知られるが、そういえばカーラにはシャーリーを若くしてポップにしたような風情も感じられる。（市川正二）