週刊誌「平凡パンチ」に始まり、隔月誌「平凡パンチデラックス」へ移行し、やがて女性誌へと変遷していく著者の編集人生のなかでの、各界の雄との出会いと別れがふんだんに散りばめられている。それほど刺激に満ちた時代だったのだろう。また、日本の雑誌が右開きでなければならないこと、海外との写真の規格の違い、雑誌作りにおける欧米との概念そのものの違いなどは素人にも興味深い。
それらが、赤木氏のバイオグラフィーと共に織り込まれている。
決して感傷的に傾くことなく綴られているし、知らない時代の知らない面影なのに微かな胸の疼きを感じずにはいられなかった。