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砂の下の夢 2 (プリンセスコミックス)

価格: ¥540
カテゴリ: コミック
ブランド: 秋田書店
Amazon.co.jpで確認
示唆に富む寓話 ★★★★☆
オアシスは死者の魂によって作られるが、その方法──
滅するには、そのオアシスのどこかに死者の頭骸骨があり、それをジャグロ族が取り除くことらしいが、
どうやって見つけているのか──とにかく魔法の類と考えるしかない。
ジャグロ族の作業を見届ける者が同行する必要性や、その同行者の選抜基準もはっきりしない。
どうやらオアシス縁の者や何らかの形で関わった者になる場合が多いと思う。
主人公が男か女か分からないことだらけだが、この際どちらでもいい。
オアシスは砂漠に住む者、旅する者たちの命綱。だが、そこまで切羽詰まった感の物語は、この本には少ない。
絵のタッチが柔らかいせいもあるが、自然(魔法の理を含む)の厳しさとは一致しにくい。
少々それが物足りなさにつながってはいるが、良作。
人がオアシスに関わって生きていく物語は、現代に何らかの訓示を含んでいるとも取れる。
オアシスはまだまだ作れるぞ、続編も更に期待したい。
(独り言:今の世にもジャグロ族のような能力がある人があるといいのに。砂漠化抑制にならないかな)

本当にそこにあるもの ★★★★☆
ほのぼのとした絵でありながら、TONOさんの話は本当にざくっとくる話が多いですね。
1巻よりも設定がこなれてきたせいか、話の流れが圧倒的によくなっている気がします。
砂漠の中にあるオアシスが死んだ人の骨でできるというのなら、
それはとりもなおさず「命のリレー」であることに違いないのではないかと思います。
オアシスは『誰のものでもない』ゆえに、人の心に縛られて存続し、そして終わる。
悲しみや憎しみや恨みを、未来への希望で書きかえる、そんな力がある本だと思います。
ダスク・ストーリーよりはだいぶ力が抜けていて、そのぶん「問題」の書き味が鋭くなってるのが見事。
ネタバレなし感想 ★★★★☆
TONO氏の作品の中では圧倒的にほのぼの度が高い作品。
だが優しく突き落とし、厳しく引っ張り上げる作風は相変わらず(賞賛)。
5つの物語全てが、ぬくもりと不思議と微少な残酷さに満ちている。
☆4つなのは個人的に「カルバニア」「チキタ」に軍配が上がるため。

2巻だけを読んでも違和感のない内容だが、読後は1巻がほしくなる
はずなので、1巻から読むことをオススメする。
心にオアシスを作りたい方は、是非。