「境界線」を、PLAYSTATION 3(以下、PS3)はくっきりはっきりと描く。
滝の向こう側から透ける太陽の光、今にも振り出しそうな空気の湿った曇天、ざらざらな路面から滑らかな打ちっ放しのアスファルトへ。これまでのゲーム映像では、あいまいに表現されていた部分をPS3は映すのだ。PS3と同時発売の本作「リッジレーサー7」は、まさしくPS3のベンチマークテストのように、その圧倒的な映像表現能力を存分に見せつけてくれる。
映像はフルHDである1080iに対応。720iと1080iでは、どのように映像の見え方が違うか――なんてハイビジョンテレビの機能チェックにまで使えそうなソフトだ。

で、そんな映像面はともかく、内容は信頼のブランド「リッジレーサー」。超高速でコーナーに飛び込み、車体を傾け、タイヤをずりずりと滑らせながら駆け抜ける、ドリフトドライビングを楽しめる。そのスピード感は、まさしくカ・イ・カ・ンのひとことだ。

前作「リッジレーサー6」から採用されたバースト走行も採用され、時速300キロオーバーをしょっぱなから味わえるだろう。オンラインも対戦競争だけでなく、協力プレーなどを用意していて、思わずリッジステイトに長期移住したくなる、いたれりつくせりぶりなのである。こんなソフトがPS3と同時発売されたことに感謝したい!

(志田英邦/ゲームライター・インタビュアー。インタビュー集『ゲームマエストロ』などを執筆)