日本競馬 闇の抗争事件簿 (クラップ・まとめ文庫)
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競馬界は、利権に群がる亡者の巣窟と化した。
崩壊するJRA帝国の全貌を記す!
【内容】
◆妖怪の跳梁する競馬界――まえがきに代えて
第一章 JRAと馬主
◆巨人・JRAが日本競馬を支配する
◆馬主ビジネスの実態
◆カネとコネがモノをいう
◆臓器移植組織に裏金を献金
◆亡霊と独裁
◆長続きしなかった賞金天国時代
◆日本馬主協会連合会による抵抗
◆殺し文句で馬主を籠絡
◆馬主優遇の異常な制度
◆カネの行方は藪の中
◆一般庶民とはかけ離れた馬主の生活環境
◆イギリスの馬主事情
◆フランス・アメリカの馬主事情
◆争いは金銭欲か名誉欲か
◆破格の待遇を受ける役員
◆農林水産省とJRAの蜜月
◆水面下で処理された重要事件
第二章 社台と日高
◆独走する社台の生産馬
◆社台王国をつくりあげた男
◆常人とはかけ離れた金銭感覚
◆馬だけではなく、人もつくった
◆日高が生産地の雄だった頃
◆戦略の失敗が明暗を分けた
◆ラムタラの不振が致命傷となった
◆JRAは社台の犬?
◆社台改革が生産界の悪習を破壊した
◆社台を仕切るのは誰なのか
◆帝国崩壊の予兆
第三章 個人馬主とクラブ馬主
◆日本独特の共同馬主制度
◆クラブ馬主をつくった男の戦略
◆「シンボリ」も共有馬主
◆個人馬主の反撃
◆成金馬主が品格を落とす
◆クラブ馬主の台頭
◆大本命・社台のクラブ馬主の誕生
◆転機となったダイナカール
◆曲がり角を迎えるクラブ馬主
第四章 美浦と栗東
◆厩舎の特殊事情
◆厩舎人の給料
◆騎手の収入はピンキリ
◆競馬記者は敏腕エージェント
◆競馬の仕組みを激変させた外厩制度
◆牧場での裏取引で調教師が潤う
◆ストライキの犠牲になったテンポイント
◆調教師はメッセンジャーボーイでしかなかった
◆問題山積の美浦トレセン
◆意欲にあふれる栗東と無関心な美浦
◆カネヘの執着が栗東躍進の原動力になった
◆過去にすがる老人がブレーキに
◆馬よりも人を優先させる労組の傲慢
第五章 マスコミ
◆競馬専門紙が続々発刊されたあの頃
◆切っても切れないヤクザとの関係
◆名古屋ではローカル紙の一人勝ち
◆競馬専門紙受難の時代
◆元ヤクザの豪腕社長が陣頭指揮をとった
◆社員総出の「流通革命」でシェアトップに
◆マルサが入り、贈収賄事件で逮捕
◆タレント予想屋は売り上げにはつながらない
◆夕刊紙の発刊が痛恨打となった
◆競馬ページ独立で『日刊ゲンダイ』が大ヒット
◆ラジオ放送の始まり
◆聴取率至上主義の醜い争いが展開された
◆フジテレビに頭があがらないJRA
◆「みんなのケイバ」は誰のためか
◆中途半端な「ウイニング競馬」
第六章 中央と地方
◆外国人は中央競馬と地方競馬の違いが理解できない
◆かつては地方馬のほうが強かった
◆正しい姿に戻ったいまこそ適切な運営を
◆JRAは地方競馬を見下している
◆地方交流の副作用
◆生命の水を送る新法ができた
◆近隣の競馬場と協力することで苦境を乗り越えられる
◆盛岡競馬が廃止を免れる術はあるのか
◆地方は末期、中央は危険水域
◆地方競馬の第二JRA化構想
◆厩舎人が職を失い、路頭に迷う日
第七章 ファンとJRA
◆JRAのお客様は誰か
◆控除率二五%は高いのか
◆イギリスの馬連の控除率は四〇%超
◆フランスでは馬券はカフェで買う
◆ファン不在のJRAサービス
◆後手に回った新馬券導入
◆やる気があれば変えられる
◆高圧的で根性なしのJRA保安部
◆JRAに勝つ方法はない
◆はずれ馬券のフォローでファンサービスを
【「まえがき」より抜粋】
馬同士の競走自体が、戦いそのものだが、それに携わる人間たちもまた、カネとメンツをかけて火花を散らしている。
これがまた、言葉に表せないような、不透明な澱みである。そして百鬼夜行、妖怪の跳梁である。
この世界の闇は深く、どこまで行っても底に行きつかない。現にいまもなお、泥沼のヘドロのような汚い争いをしていて、今日もスキャンダルが生まれている。この世界を書くということは、まるで、底無し沼に足をとられるようなものなのだ。
【著者略歴】
渡辺敬一郎(わたなべ・けいいちろう)
1936年、千葉県に生まれる。早稲田大学文学部中退。競馬評論家・大川慶次郎氏に師事し、競馬専門誌「ダービーニュース」編集長を務める。1966年に退社し、執筆活動を開始。
著書には『欧州黄昏競馬』(ミデアム出版社)、『海外競馬に行こう!』(東邦出版)、『ヨーロッパのカフェテラス』(徳間書店)、『最強の名馬たち』『平成名騎手名勝負』『強すぎた名馬たち』『日本競馬 闇の戦後史』などがある。