レディ・ガガ〜〜アンディ・ウォーホル芸術に急接近!
★★★★★
レティ・ガガはヒップ・ポップの芸術家だ。だから評価は優劣はっきり分かれてしまうの
は仕方ないこと。
この人の手作り衣装、舞台、音楽、ダンスは、これまでになかった型破りの芸術性を目指
している。アルバム2枚目となる本作品で、一般受けする路線からマニアックな彼女が本
当に希望していたアートに切り替わったようだ。ガガはCDを販売してまず評判をとり、
本当の狙いは舞台を直接見に来てくれることを望んでいるようである。PVやライブ映像
にはこだわらないから、YOUTUBEでどんどん公開している、現代ならではのアーチ
ストだと思う。単にインターネットの「フリー」を活用しているだけではなく、その奥に
もっと大きな野望、商業主義とは正反対の感覚を持っている。
彼女は富裕族の出身で、基本は芸術学校卒が示すようにアートである。心の師はアンディ
・ウォーホル。そのポップな世界を若い体全部を使って表現しようとしている。彼女の表
現は虚構の美学だろう。深層心理にはカトリック精神があるのは間違いない。だから自分
の心身に鞭打つため俗なストリッパーにまでなってしまう。
本作品で「バッド・ロマンス」や「モンスター」「スピーチレス」は客引きの一般受けす
る作品と言える。「テレホン」はビヨンセとの競演という意外な作品だが、これはあくま
でも実験だろう。というのも彼女の本当に表現したい作品は各曲のPVを見れば良く分る。
彼女の存在を決定付けたのは、ポインター犬の見守る中、雷雲と共にプールから現れる
「ポーカーフェイス」なんだけれども、本当にやりたかったのは「ババラッチ」のような
宗教的な世界。ドイツにロケしたパパラッチのビデオ制作費は凄いらしい。芸術性の高い
ものだ。
本作品では「アレハンドロ」が彼女にとっての「本命」でPVは6分の大作だ。「心臓を
抉り抜く宗教行為」 この中に彼女の本髄を見た氣がしたし、曲も実に切ない。
彼女はファンの気持ちが移り気なことを良く知っている。「鉄は暑いうちに叩く」 一般
受けする作品で注意を引きながら、隙あれば「ガガワールド」に引きずり込もうという、
したたかな性格である。