「一人で自由にどこへでも歩いて行きたい。」昭和３２年夏、光を失った若者の夢を叶えた一頭の犬がいた。名はチャンピイ。日本初の盲導犬となったシェパードである。チャンピイを育てたのは、絶望の淵で出会った２人の若者だった。１８歳で突然失明した河相洌は、大学中退を余儀なくされ、母の付き添いなしには一歩も外に出歩けなかった。その時、生後半年のチャンピイをもらった。「この犬を訓練して街を歩けないか。」訓練をかって出たのは塩屋賢一。１頭の犬に人生の再出発をかけた男たちの愛と絆のドラマを描く。