座右の書の、満を持した改版と言うところか
★★★★★
この分野では結構古い1992年刊行の参考書の14年ぶりの改版である。
途中に「エレクトロニクスのための熱設計完全入門」と言う類書が上梓されているが、この本と比較すると本書の、特に第二版での、特徴は次のように感じる。
・一般論はそのままに、アカデミックさがある(演習問題などもある)
・ペルチェ素子などの最新技術動向について触れている
・騒音、防塵の理論と具体策が示されている
・シミュレーション技術に大きくページを割いている
・シミュレーションモデリングについて、計算時間短縮化のためのテクニックを
披露している(ただしまだ物足りないが)
実は比較した本の著者は本書の共著者となっており、「エレクトロニクスの−」を補完してアップデートしたような印象である。
巻末の公式集や物性値表の配慮も含めて開発者の座右の書といえる。