これを「環境論」として真面目に読むことは、勧めません。
困惑すること間違いなしです。
というのも、「論」としてはあまりに欠陥が多い。
突然始まり、笑い半分(嘲笑、苦笑等)で終る。
読者に理解を求めていないような感すらあります。
突き放しているというか。
全体として文章もつかみづらく、随所で「?」と首をひねることがあります。
何故会話調で、何故酒を飲むのか、何故相手が年下の文系なのか。
そして尻切れトンボの感も覚えます。
しっかりとした熟成がなっていないような感じで、真面目に環境論を考えている人は(内容ではなく筆者の態度に対して)憤然とさせられるかもしれません。
読む価値がないとは言いませんが、筆者が斜にかまえているのだから、
こちらもあわせて斜にかまえて読む程度でいいと思います。
マスメディアにかき回されている現状を科学的に突くのはいいです。
ロンボルクを読んでいなかった私が驚くようなことが、ちらっと出ていたのも認めます。
よって、ロンボルクを読むきっかけになったことを考慮し星二つですが、
ロンボルクを読んでいる人にとってはまだろっこしく、ついで不愉快かもしれません。
「君たちはさ、ロンボルクも読んでいないんだろう?」
という筆者の声が私には聞こえる気がしましたから。
あと、筆者はなんとなく養老氏を意識しているような気がしました。