100年の歴史ゆえに弱点もあるが、やっぱり今でも権威ある辞書です
★★★★☆
1906年に初版が出版されてすでに100年!2003年の時点で第七版まで出版された、ロングセラーのヘブル語−英語辞書の王道です。
この辞書には難点がいくつかあります。まず、ヘブル語の「語源」にしたがってアレフ・ベート順にならんでいるため、語源がわかりにくい言葉になればなるほど開くことすらできません。しかしこのバージョンにはStrong's Exbuastive Concordanceと連携した番号が一つ一つの単語にふられているので、初心者も扱いやすいでしょう。
第二に、旧約聖書中に一回しか出てこない単語(Hapax Legomenon)に関して弱点があります。たとえば伝道の書2:8にでてくる「そばめ(シダーフ)」という言葉は一度しか出てこない単語で、BDBは基本的に「分からない」(994)という立場をとっています。非常に古い辞書であるため、死海写本などの最近発見された資料を考慮できず、それゆえに Hapax Legomenonに関してはとくに弱点をもっています。
第三に、JEPD説にたって言葉を解説していくところが多数あり、100年前の旧約神学の影響を強く受けています。
それでもなお、BDBは聖書ヘブル語を学ぶための辞典として高い評価と権威を維持しています。ヘブル語を学ぶ人は必ず購入すべき辞書です。"The Hebrew and Aramaic Lexicon of the Old Testament"と併用して使用するのがふさわしいでしょう。
100年以上のロング・セラー。でも、古すぎるかも。
★★★☆☆
結論を先に言いますと、辞書を詳細に調べる人はOXFORDから出版されていますA Hebrew and English Lexicon of the Old Testamentを購入すべきでしょう。しかし、とりあえず今、ヘブライ語を勉強しなければならないけれども、将来的に継続してヘブライ語に取り組む予定の無い人はHENDRICKSONから出版されているThe Brown-Driver-Briggs Hebrew and English Lexiconで充分かも知れません(この二つの辞書は書名が異なっていますが中身は同じ物です)。但し、OXFORD版には「ストロング・コンコルダンス・ナンバー」が附されていませんので、これが必要な方はHENDRICKSON版を使うしかないでしょう。値段は同じ辞書であるにも関わらず、現時点でHENDRICKSON版がOXFORD版の半分ほどです。
本書はヘブライ語聖書の辞書として100年以上のロングセラーを誇っています。が、古いものなので、やはり専門に勉強する方はKoehler/BaumgartnerのThe Hebrew and Aramaic Lexicon of the Old Testamentを併用すべきでしょう。
次にOXFORD版とHENDRICKSON版の違いを述べます。
1.いずれも「リプリント」ですがOXFORD版の原版は、HENDRICKSON版のそれよりも新しい「改訂版」のようです。OXFORD版の冒頭には「序文」に続いてG.R.DRIVER(S.R.DRIVERの息子?)の手によるNOTE(1951年)が掲載されていますが、そこに「今回のリプリントには小さい訂正がある」旨記されています。HENDRICKSON版にはこのNOTEは掲載されていません。
2.HENDRICKSON版にはアラム語の語彙「グーアハ、ギーアハ」が欠落しています。ですから、この単語が出てくるダニエル書7:2を調べることが出来ません。OXFORD版にはこの単語については2.で述べる「付録」の1126ページを参照するように記されていて、「付録」にその語彙が掲載されています(但し、実際には1127ページに載せられています。「1126ページ」という記述は誤植です)。
3. 双方に「付録」としてADDENDA ET CORRIGENDA(「付加と修正」)が付いています。OXFORD版には、「付録」に言及がある場合、本文の当該箇所にアスタリスク(*)が付けられていますので、本文にこの印が出てきた時にだけ「付録」を参照する、という当然の使い方が出来ます。ところがHENDRICKSON版にはアスタリスクが付けられていません。ですから「付録」を活用したければ、単語を調べる度にその単語についての言及があるかどうか「付録」を見て確かめる必要があります。
4.「付録」はOXFORD版とHENDRICKSON版で少し異なっています。HENDRICKSON版の「付録」に載っていてOXFORD版の「付録」に載っていない記述の中には、OXFORD版では本文に挿入されている(従って「付録」を見る必要が無い)ものと、本文にも無いものがあります。後者は改訂する際に、不要なものとして削除されたのかも知れません。また、OXFORD版の「付録」に載っていてHENDRICKSON版の「付録」には載っていないものは1.の語彙を含めて少なくとも5つ以上あります(「少なくとも5つ以上」というのは、私が「付録」の全てをチェックしたわけではないからです)。
5.OXFORD版はHENDRICKSON版よりも誤植が少ない。これまでに私が見つけた誤植は53ありますが、その内の15は、OXFORD版では訂正済みでした。
ヘブル語がわからないので買いました、、。
★★★★★
旧約聖書の先生の演習の履修を始めたら、あたりまえですがBDBが基本ベースになって、そのうえで著名な学者たちの注釈本の翻訳がありますが、ヘブル語の基礎科目を取り損ねてきたので英語を翻訳するのにも一苦労。先生に聴くのもお忙しそうなのでなかなか… そんなわけで、ヘブル語が分からないので分かりたくて買いました。辞書というのはリテラシーを構築する基本であることは自明のことですが、どんどん自分で調べる姿勢が結果として出てくるのだと思います。研究室にある実物を眺めながら購入しやすい値段だとは思えないボリュームだったので、いつも「たかいだろーなー」と躊躇していましたが、こんなにお手頃に手にはいるなら早く買えば善かった。
へブル語が分かります!
★★★★★
「へブル語が分かる」・・・などというエラそうな題名を書いてしまいました(笑)。でもこの本を使いこなすには、英語が分かることが条件ですよね・・・。Strong's numbering systemを採用しているところは、とても使用者に易しいですね。私も愛用しています。