東山の歴史は日本卓球界の歴史
★★★★☆
東山の歴史は日本卓球界の歴史というと大げさすぎるかもしれない。しかし、吉田安夫先生(熊谷商業・埼玉工業大学深谷・青森山田を歴任)と肩をならべて日本高校卓球界の中心に長く続く歴史を持った学校だ。
この本を通して歴史を俯瞰してみることで、その時代の最高峰ともいえる練習内容や考え方も見えてくる。同時に、数十年の指導経験を持つ今井先生から見た最も実力のある選手の考え方や練習のスタイルを紹介するなど、トップレベルの卓球の状況も東山高校内部の状況も知り尽くした今井先生ならではの見解が興味深い。
普通の卓球経験者は、同世代の選手の印象しか持ち得ないので、自分に近い世代の選手が最も強いのではないかと錯覚しがちである。しかし、昔と現代の最先端技術を知る方の目から見た話は非常に興味深い。
卓球界の未来の一面を洞察するにも、
トップレベルの指導者の考え方、その変遷を知るにも参考になる一冊。
京都の県大会の状況も時々出現し、その世代のライバルとの関係がちらほら出てくるのもおもしろい。