副題どおり、堆肥化の仕組みから実際までよく分かる
★★★★☆
堆肥とは何か、堆肥化するとはどういうことか。
これらの原理から始まって、堆肥作りの実際から施用まで網羅して記述されています。
高校程度の生物を履修した人や、また実際少しでも堆肥作りをしてみたことのある人には、
興味深く、更によくわかるのではないでしょうか。
巷に時々見かける無批判なオーガニック礼賛ではなく、堆肥に期待できること出来ないことが
科学のきちんとした前提の下に、経験を踏まえてまとめられています。
また堆肥作りの実際について具体的に感覚的に捉えられるよう、説明の工夫が随所に見られます。
たとえば堆肥の水分率について。
水分率何%といわれても、堆肥の感覚的な状態を想像することは難しいと思いますが、
たとえば30%なら、手で握ってもさらさらで手に付かない。
50%ならやや湿った感じで握ると少し手に付く状態。
それらが写真つきで説明されていたりします。
写真が白黒なのは値段的に仕方ないのでしょうが、カラーだったらもっとよかった。
全体として、貴重なデータと経験がまとめられたよく出来た本です。