現在読んでも思わずギョッとしてしまうようなショッキングな内容だけれど、びっくりするぐらい奔放であっけらかんと書かれているのに驚きました。性的描写が多いのに文体が美しく、主人公ファニーについても明るく可愛らしい少女という印象を受けました。この物語は主人公ファニーがそれまでの体験を告白するという形で進むのですが、その中でもファニーが娼婦仲間たちとそれぞれの初体験を告白し合うという場面では、当時でもタブーとされていたであろう性への目覚めが包み隠さず語られていて、かえって新鮮味を感じました。