いつもながら良い本です
★★★★★
筆者はこの分野での日本の草分け、権威者だと思います。
役に立つ内容が多く、お勧めの一冊です。
当たり前のことの大切さ
★★★☆☆
著者は、医療マーケティング会社スナッジ・ラボ株式会社の代表取締役。
それで、患者満足度調査を全国の病院や診療所などで行っている。
本書には、患者満足度をアップさせることで、その病院の医療の質を向上させ、病院の経営にもよい影響を出せる、という、
あたりまえといえばあたりまえのような話が書かれている。
それで、患者満足度をアップさせるのには医師のコミュニケーション力がもっとも大切な要素であるという、
これも、あたりまえなことだと思う。
しかし今までの日本の医療においては、患者満足は二の次、みたいなおかしな状況があったみたいで(今でもあるか)、
看護師の私が聞いてもちんぷんかんぷんな説明を患者さんにしている医師が、私の職場にも何人もいる。(もちろん、とてもわかりやすく丁寧な説明をする医師もいるけど。)
そのために、このような本が出版されて読まれる必要があるのだろう。
そんなわたしは、看護師であるので、この本から直接的に得ることはあまり無かった気もする。
管理的な立場にある人が読むべき本なのだろう。
自分がそうなったつもりで読むと面白いかも。(私にはありえないはなしだが。)
まあ、日ごろの自分の働きぶりを振り返ると、医療をサービス業としてとらえるような意識はかなり薄いと思うので、
そんな視点から考えなおしてみるきっかけにはなったかと思う。
コミュニケーションについても学べる本
★★★★★
著者の以前の本に引き続き、患者満足度について詳しく述べた本。
著者が患者満足度の調査を行った医療機関では、患者数がアップして、
収益が向上しているようだ。
患者満足度には医師とのコミュニケーションが大事らしい。
「もう少し詳しく話して下さい」などのつなぎの言葉、
「今までお話になったことを、一度確認させて下さい」などのまとめの言葉、
「眠れなくなるほど痛かったのでは、つらいですよね」など共感の言葉、
「他に何かありませんか?」というしめくくりの質問、
など具体的に書いてあって、わかりやすい。
コラムに市販の風邪薬が危険なこともある、という点が書いてあって、注意しようと思った。
いろいろな本や映画の話も載っていて、おもしろい。
医療関係者だけでなく、広くコミュニケーションに興味がある人に
お勧めの本である。
類書のないユニークな優れた著作!
★★★★★
前著「患者満足度」もいい本であるが、これはデータも豊富で、何よりも読みやすく、 その構成もよく、類書のないユニークな優れた著作である。医療が患者へのサービス業であることを明確に論じ、患者満足度のコアになるものが何であるかを明確に示されている。 患者満足度に関する一連の調査結果は大いなる価値がある。また他業種のサービスの例の紹介など著者がマーケティング、なかでもサービス・マーケティングの基本をきちんと踏まえているその造詣の深さに感銘を受けた。更に患者満足度が財務上の業績につながる点も引き続き研究されようとしていることも印象深い。今後に期待したいものである。日頃医療や医薬ではあまり良書に巡りあえないが、著者のこの本は実に興味深く読むことができた第1級の名著です。