有名人ですが、この人に焦点にした本は少なかった。
★★★☆☆
聖書の登場人物としては有名人の部類に入るユダだが一般向けの本はいままでなかったと思う。全三章で書かれた本です。
第一章は美術史でいかにして描かれてきたかが豊富な図版と共に解説してある。ジョットやダ・ヴィンチ等、有名な作品から6世紀の福音書まで美術ファン必見の内容です。
第二章、第三章は、なぜ裏切ったのかが書かれている。福音書の記述に基づいて解説してあるところは面白かったが、古今東西の有名作家の作品から引用して書かれているところは、美術史の本を普段から読んでいる自分には、いまいち馴染めなかった。また、文献資料が多い時代ではないので当然であるが裏切りの確証は得られない。
前半はユダの美術本。後半はユダから派生した話を楽しむ目的で読めば、期待はずれにはならない一冊です。