★★★ すごい作品です
★★★★★
「タラフがクラシックに挑戦した」という事実が独り歩きしている気がします。が、この作品は単純に「クラシックをやってみました」という作品ではありません。初めて聴いた時は「タラフがこれまでになく洗練されておとなしくなったかな」という印象を持ちましたが、繰り返し聴くと以前とあまり変化したと感じなくなりました。
20世紀に入って停滞したクラシック界は他の音楽の血を入れようと様々な音楽と交配したと理解していますが、民俗音楽を取り込んだクラシックの作品を再度民俗音楽の側に引き寄せた、というものが今回の作品にあたるものと思います。
とにかく、逞しいリズムに打ちのめされてしまいます。音楽の力というのはかように凄まじいものだったのだと、改めて気付かされるような、そんな作品です。新たな地平を模索し始めたタラフの世界から何が飛び出してくるのか、今後も期待してます。