リトアニア旅行への導入書
★★★☆☆
旅に出た時,実際に話すかどうかは別としても,懐に例文集などがあると心強い。
一言話せると,現地の人々や文化への関わりを深くすることができるからだ。
この著書が取り上げたバルト海沿岸諸国は,最近では角界あたりでも把瑠都 凱斗(エストニア出身)などの活躍で少しずつ視線が集まり始めてはいるが,現状の日本では旅先としてまだまだマイナーな部類のためもあり,特に「リトアニア」を単独で取り上げた書物は少ない。
『地球の・・』や『個人○○』などは旅の重要情報源ではあるが,巻末の会話集などは東欧に関して少し貧弱である。
この書籍さえあれば磐石とはいかないが,同国訪問時に携行する一冊とみれば数少ない選択枝の一つと見ても存在感は大きいだろう。
私など旅行が主な目的の者にとって,とてもビジネス的な大成功を狙っているとは思えない(・・失礼)本を刊行されていること自体,ボランティア的とも言え有り難くさえある。例文や単語の検索をし易くすればもう一つ星を追加したいところか。
また,同書は日本人とリトアニア人の共著の形をとっているが,日本人の著者は,外語大系の学歴でもなく,同国に関係する職に就いているわけでもでもない。
にも関わらず,リトアニア大使の支援も取り付けている辺りは,興味深い以上にさらなる期待感さえ禁じ得ない。
今後も同様の手法を広げ,他のまだ日本でスポットの当たっていない地域に関する情報の選択枝を広げてくれることを期待したい。