共感出来る大人の為の恋愛小説
★★★★★
前回の「ダブル・ファンタジー」が良かったので今回も手に取りました。
期待を裏切る事無く今回の作品集もとても良かったです。
1 あと少しの忍耐 2 それでも前へ進め
3 あなたのための秘密 4 最後の一線
5 これでおあいこ 6 言葉はいらない
7 不死鳥の羽ばたき 8 聖夜の指先
9 哀しい生きもの 10 ひとりの時間
11 罪の効用 12 誰も知らない私
これら12のストーリーから成る長編連作小説です。
12人の女性達、それぞれ個性も性格も異なっていますが、自分と照らし合わせて見たり、
時には感情移入して応援したくなったり切なくなったり…
性の描写もありますが何故か不思議と村山さんの描き方はさらっと読め
不快な感じも全く残りません。
共感出来る部分も多々あり大人の女性には特にお薦めしたい1冊です。
次作もかなり楽しみです。
肉食系女子の自由奔放、罪悪感としんどさ、覚悟に逆に愛おしさを覚えてしまう
★★★★★
どこにでも誰にでもありそうで、ない、どこにも
なさそうで、ある、そんな欲望に忠実に生きようと
する女性の12の物語です。雑誌に連載中から
同じような悩み、体験をもつ女性から感想や相談
が相次いだというのも頷けます。
男と女の織りなす心と体の綾、禁断の女同士、
一人Hと近親など、バラエティーに富んだお話です。
いろいろあった、いろいろあるけれども、やっぱり女、
結局最後は生き生きとしている余韻を残すのが、
男としてはうらやましい。
恋愛小説家の著者は決して恋愛のエキスパート
でなく、恥ずかしい失敗、夢にも出る後悔の宝物蔵
から引きずり出して紡いだ物語だと言う。それでも
作家だから告白手記であるはずもないとは知りつつも、
著者の実人生を垣間見てしまったと錯覚して得をした
悦びを感じさせてしまうあたりは、さすがです。
左門 新
三つ星レストランには、なぜ女性シェフがいないのか
女はなぜ素肌にセーターを着れるのか