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宗教改革とその時代 (世界史リブレット)

価格: ¥765
カテゴリ: 単行本
ブランド: 山川出版社
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戦後プロテスタンティズム史学(?)への解毒剤 ★★★★★
 見事な書である。豊富な内容がコンパクトにまとまっている。宗教改革の概要を知るには好個の一冊だ。

 本書のメリットは、1)16・17世紀のヨーロッパにおける国際政治の力学の中に宗教改革を置いている、2)イギリス国教会とカルヴィニズムの関連、3)プロテスタンティズムの出発がローマ教会中の異端であったにも関わらず、様々な歴史的経緯から、近代主権国家との二人三脚による対ローマ教会共闘をバネにして、キリスト教内のセクトとして生き残り、生き残ったが故に異端の歴史的烙印を押されずに済んだこと(これは、選択的親和関係の好例)。

 デメリットはほとんどないが、やはりウェーバー・テーゼへの理解が若干紋切り型であることか。それでも日本のウェーバリアンにまま見られる学問的偽装を施した狭隘さを相対化する効能はある。他にかつての南アフリカのアパルトヘイトとカルヴィニズムの関連の指摘などは有益。コスト・パフォーマンスの高い一書である。
大学生の一般教養に ★★★★☆
 受験参考書ではないから、暗記させるような書き方ではなく、流れがあって読みやすい。それでいて、著者の個人的解釈や新しい学説をひたすら主張するわけではなく、受験参考書のように基礎知識を一通り抑えられるようにもなっている。ただし、著者は一般的な世界史の教科書や参考書の内容を批判してもいる。……その辺のバランスが絶妙だと思う。そして90頁の分量を「宗教改革」に集中させているわけだから、当然、受験参考書などよりも格段に詳しい。

 こういう、一冊で完結している薄い冊子のシリーズは、一般教養の補強としてつまみ食いしてみると面白いと思う。大学の政治学の授業で宗教改革がテーマになった日に予習のために読んだのですが、べつに授業とは関係なく、読んでためになる内容だと思いました。

宗教改革についての入門書 ★★★★★
宗教改革を理解するのにたいへん分かりやすい。著者は本書が宗教改革を学ぶ一つの入り口になればよいと書いているが、こういった入門書の存在はその後に読む専門書の理解度を大きく左右する。

 カトリック対プロテスタントといった単純な二項対立的図式ではなく、様々な宗派やグループの複雑なからみ合い、そして変遷が書かれている。しかし、混乱せずに読めるのは想像力をかきたてる語り口や挿入された多くの絵や地図によるからだろう。

 最終章の「宗教改革の再評価」では我々が描きがちなカトリックとプロテスタントの関係から一歩進んだ見解を述べている。この最終章だけでも一読の価値がある。