【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:ダン・シモンズ/著 酒井昭伸/訳 出版社名:早川書房 シリーズ名:海外SFノヴェルズ 発行年月:2006年07月 関連キーワード:イリアム カイガイ エスエフ ノヴエルズ いりあむ かいがい えすえふ のぶえるず、 ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわしよぼう 6942、 ハヤカワシヨボウ 6942 はやかわしよぼう 6942 はるか数千年もの未来、地球化された火星のオリュンポス山のふもとに住む学者ホッケンベリーは、イリアムの平原でギリシア神話の神々や英雄たちがホメーロスの『イーリアス』さながらに戦うトロイア戦争を観察していた。神々にナノテクで復活させられたホッケンベリーは、この戦争の記録をとらされていたのだ。だが、彼は思いもよらぬ使命をある女神からさずかる。地球でわずかに生き残っている人類は、仕事も学問もせず、衣食住のあらゆることを自動機械の下僕たちに任せ、享楽的な生活を送っている。この世界の仕組みに疑問をもった男
洗礼
★★★☆☆
初ダン・シモンズ
やられた、、、。こんなに長いのに終わってねえんでんやんの。
何の情報も無い状態で放り込まれた異世界では、語り部すら現状を把握しておらず、戸惑いが継続するが、それでもそこに留まりたくさせる、魅力的な世界である。
世の中、親切なのか不安なのか説明しすぎの小説があるけれど、秘密と謎ほど人を捕らえるものはないよね。 いいのよ、謎だらけで。
SFと純文学
★★★★★
文学オタクのロボット達が嵐の中でシェークスピアの「テンペスト」を引用する、などというのはSFでしか味わえない妙味だ。
プルーストについての文学論も出てくる。「ハイペリオン」ではキーツの詩があちこちに引用されていた。それで図書館でキーツの詩集を借りて読んでしまった。(いわゆる文学作品などほとんど読まないのだが。)今回は「失われた時を求めて」を手に取ってみようかという気になった。同じように、この本を読んだ友人は「イリアス」に挑戦するという。
SFで純文学への興味をかきたててしまうなんて、本当にシモンズはすごいと思う。
ストーリーテラーとしてのシモンズ
★★★★★
『ハイペリオン』シリーズで90年代の翻訳SF界の話題を独占したシモンズひさびさの長編。
しかも、描写こそ『ハイペリオン』の粘っこいバイオレンスンスは和らげられていますが、ストーリーテラーとしてのシモンズは健在。エディターレビューに詳しく設定が示されているので、ネタバレにもなりそうだし、言及は避けますが、神々が地球化された火星で再現しているトロイア戦争(何の目的か、神々とは何者かは不明)−ホメロスの『イーリアス』のとおりにリプレイされるべきものが、だんだんずれてゆく。
そのメイン・ストーリィにからむ二つの別の物語も絶妙。
すべての謎は続編の『オリュンポス』で解きあかされる。原著は2005年6月発行ですので、訳者の酒井昭伸氏のがんばりに期待しましょう。
いやあ、シモンズはやはり稀代のストーリーテラーです。