重要な点を太字で読みやすく、税法の知識がない人のため
解りやすく書いてある点には好感がもてます。

現役税理士から、法183条第1項により所得税の源泉徴収においては・・・とか
書かれると一般人には理解不能の節税術となってしまいますが、
この本にはありません。知りたいと思われるポイントを絞ってまとめてあります。

おそらく、この本は国税局からは非常に評価される本だと思われます。
税法の許容範囲を超えて解説していないからです。
いわゆるグレーゾーン（脱税ではないが考えによっては近い）には触れてないからです。

例えば、新車を買う場合、オプションをまったく付けないで申請して自動車取得税を安くしたあと
ディーラーでオプションを別料金でつけてもらうという一般に広く知られている技が存在しますが
この本では一切触れられていません。それどころかエコカー減税中に買いなさいという内容です。

こういう裏技を知りたい方は、節税の相談に乗ってくれる税理士を探して相談して下さい。
少なくともこの本の著者の税理士には連絡はとらないように・・・

税制についてちょっと勉強してみれば、総論についてある程度の知識はつきますが、
個々のケースにあてはめるとなると複雑で、結局どうするのが一番お得なのかわからない。

まるで携帯電話の料金プランや、生命保険の掛け金のよう・・・。

この本はその辺りの悩みについて、ケース別に分かりやすくまとめてくれているのが良いと思います。

表紙にあるように「この１冊で数百万円のトク」とまでは行かないかもしれませんが、数万円なら十分ありえそうです。

知らないことで損するくらいなら、賢く節税したいという方にはもってこいの本だと思います。