自叙伝という名の究極の自己啓発本
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弁護士で、教授で、小説家で。そんなに凄い方はさぞかしエリート人生を送ってきたのだろうなと思いきや、彼女なし職なし金なし、の苦しくて辛い日々のことや、家族や周囲の人との言葉が赤裸々に書かれており、自分でも何かやればできるかもしれない、と希望を持てるような本だった。
自叙伝、というと、下積み時代はあれどいかにその人が素晴らしい成功体験を歩んだか、という構成になりがちだが、この本はそうではない。いかに木山先生ができなかったか(できないときがあったか)、できなかったときの心の葛藤やどうその時代を乗り越えたのか、そしてどのようにして成功できたのか(試験合格に加え、人がやっていないジャンルに飛び込む、1番を目指す、など日常的にも参考になる数々の教訓)、など様々な努力の経験にフォーカスして物語が進んでいくので、とても読みやすく、数々の場面で共感してしまった。
自叙伝というよりも、自己の経験を証拠とした自己啓発本とも言える一冊。現在勉強中のロースクール生はもちろん、「なかなか毎日上手くいかない。」「でもいつか結果を出してやりたい。」と感じている社会人や学生にも、自信を持っておすすめしたい。