取扱説明書をそのまま読まされているような…
★★☆☆☆
平易を装うかのようなタイトルに比して、中身は、
「税制についての取扱説明書」をそのまま読まされているかのような印象。
噛み砕いた解説という感じもしないし、構成に工夫があるようにも思えない。
学者先生が自分のフィールドの中だけで書物を完結させてしまったようでもある。
読み物としての売り方をもうちょっと考えたほうがよいのでは。
好著だが、”羊たち”の連呼が不快。
★★★☆☆
ニッポンの所得税の仕組を、給与所得者の立場から概観。毎月支給される給与からはじまり、課税所得、年末調整、確定申告の仕組みや、サラリーマンの税金がどのように捕捉され徴集されているのかが説明される。専門家らしく説明は明快な一方、構成は身近でわかりやすいという好著。サラリーマン生活20年のワタクシも、恥ずかしながら初めて知ることもいくつかあった。
このように有用な本だが、時折出てくる”羊たち”(サラリーマンのこと)との呼びかけが気に障る。「意識を変えてほしいのであえて使った」との著者の言及があったが、それであればむしろ、エピローグでチョットだけ触れていた直接税と間接税の在り方や、国際金融課税の課題など、税についての新しい見方を議論してもらったほうが、なお一層考えが深まり意識も変わるのでは?内容がいいだけに、かえって馬鹿にされたような、不快な読後感がどうしても残った。大半の読者であろうサラリーマンの感想は如何?
所得税の徴収から垣間見える徴税機関日本国政府の強かな絞りとり政策
★★★★★
本書を読むべき人とは
1)今まで自分の給与明細をじっくり見てこなかった人
2)年末調整を何となく漫然と行ってきた人
3)なんでサラリーマンは慢性的金欠なのか
などなどですが、おそらくこれらに該当しない人はいないはずだ。よって全サラリーマン必読の所得税入門書だ。
本書を読めば、凡そ国という徴税機関はサラリーマン、働く人間を税金を納めるマシーンくらいにしか思っておらず、表面的にはにこやかにしていても、税金だけは冷徹にしっかりと搾り取る、そんな存在だ。表面的にでもにこやかに接していないと徴税すら出来なくなるから生かさず殺さずにといったところだろう。徴税機関と納税者は羊の毛刈りと羊の関係で、雇用者とサラリーマンは羊飼いと羊の関係でしかないことが良く分かります。そんな記述が本書の至る所で見られますが。
本書は給与明細の見方について大筋で説明し、必要経費、控除、年末調整、退職金、年金についての制菌面での説明が詳しくなされており、特に各章末にはポイントを再度まとめて説明しているので非常に分かりやすい。経理、財務、税制などの知識がなくとも充分に読み終えることができる良書だ。これを機にそもそも税金とは何なのか、どのように使われておるのか、その使い方、税率などは適正か、などなど日本の徴税制度についてもっと深く考えてみたくなった。
給与明細を自分で再計算する方法
★★★★☆
給与明細をベースにして、そこに書かれている金額がどのような根拠に基づいて決まっているのかを解説した本。これを読むと、給与収入から給与所得を求めて所得税額などを再計算することもまあ可能だろう。ただし、社会保険料は元々のルールが不明瞭なので算出は難しいらしい。
これを読むと、給与所得控除や基礎控除、配偶者控除などの根拠が理解できる。給与所得控除はサラリーマンの経費精算を税務署がいちいち処理するのが面倒くさいから、一定額を経費と想定して控除するシステムだし、基礎控除や配偶者控除は、健康的で文化的な生活を営むための最低限の金額、というロジックで定められているらしい。でも、最低限の生活が年間38万円でおくれるとはとても思えない。しかもこれには、10万円未満の医療費が含まれる前提なのだから尚更だ。
実際、諸外国では物価上昇などにあわせて控除額を上げているらしいのだが、日本では何十年も変えていない。そしてこれが問題にならないのは、税金を払っている多くの人が、源泉徴収というシステムによって税金について考えなくてもよいように飼いならされているからだと著者は言う。
特に興味を引いたのが、派遣労働者が増えている理由は消費税にも一因があるとの主張。正規雇用の場合、賃金給与は消費税とは全く関係がないが、派遣の場合は仕入として扱われるので、その仮払消費税は仮受消費税と消費税と相殺できる。つまり、消費税を納める額を減らすことができる。だから、正規の代わりに派遣を使った方がお得感があるらしい。
源泉徴収は給与所得者から見ると便利なシステムだ。何せ経費精算の手間が少なくて済む。でもその分無知になり、誰かの良いように扱われてしまいやすいのならば、あえて勉強する必要があるのかも知れない。
タイトルと内容のギャプにご用心!
★☆☆☆☆
タイトルが、とてもわかりやすいのだが、
内容は堅く、会計がわかりやすく説明されてないので、
ぼくにとっては、読むのに疲れました。
タイトルと内容のギャプは、実際に見て確認してみるといい。