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孤高の大木 千駄ヶ谷市場2

価格: ¥0
カテゴリ: Kindle版
ブランド: マイナビ
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どれだけ時代が変わっても、盤上に没頭する棋士の姿は変わりません。棋士の真情を語らせたら斯界随一の先崎学が、極限状態の棋士が見せる色とりどりの姿を真正面から描いた「千駄ヶ谷市場」待望の第2弾です。

本書ではトップ棋士、ベテラン棋士、若手、女流、アマチュアとさまざまな棋士にスポットを当て、立場は違えどやはり一様に盤上に打ち込む様子を愛情豊かに表現しています。

表題作の「孤高の大木」は、長年にわたり女流棋界を牽引してきた清水の矜持と苦悩に迫った一編です。
本文から少々内容をご紹介します。

(以下本文より引用)
このように、清水はひとつ間違えば危ない局面で、常に前を切り拓いて勝ってきた。
いや、盤上だけではない。十代の、何も世の中など知らない女の子が突然タイトルを獲り、スターになって以来、その細い腕ひとつで生き抜いてきた。
清水ほど、誤解されている棋士はいない。
若くして、しかも可愛い女性がスターになることへの、まわりの嫉妬は大変なものがあったろう。清水はそれらに対し、沈黙を通すことで自分を守り抜いてきた。
素の清水は、やんちゃで明るい女の子である。
それが、いつの間にか孤高の人みたいなイメージになってしまった。
いや、あれよあれよという間にさせられてしまった。

その辺を知る業界人に清水のファンは多い。
業界人だけではない。彼女ほど後輩に尊敬されている女流棋士はいない。
私は、まったく意外な人からも「清水さんが憧れです」ということばを聞いたものだ。
連盟もLPSAもない。彼女は女流の棋界において一本そびえたつ大木なのである。
北海道の対局の後、清水と中倉宏美と三人で飲んだ時、酔った中倉が「清水さん、大好きです、生まれ変わるなら清水さんになりたいです」といった。
いきなりの発言にちょっと面食らった清水だが、咄嗟に「でも孤独だよ」と返した。

孤独なんかじゃない。君のことを誇りに思う後輩がたくさんいるのだ。