統合失調症の人が知っておくべきこと~突然死から自分を守る~
価格: ¥1,260
ある日突然(自殺ではなく)、統合失調症の人が亡くなってしまう。当事者の方や、施設等で、まれに起こることを耳にします。
そうした人たちが共通して語るのは、「あの方は、昨日まで元気だった。突然のことで原因はわからない」ということです。突然死の問題はもう何十年も前から起こっていますが、これまでまったくといっていいほど、その情報がありませんでした。それは、その原因が不明だったからです。
しかし、ここ数年の間に、突然死に関することがかなり具体的にわかってきました。海外の研究によって、いろいろなデータが出てくるようになったのです。
―抗精神病薬を服用している人は、そうでない人よりも心臓突然死のリスクが高まる
―抗精神病薬の服用量が増えれば、突然死のリスクは高まる
―抗精神病薬の併用数が増えるほど死亡リスクが高まる
では、抗精神病薬はのまない方がよいのかというと、それも違います。
―薬をのまなければ、自殺などのリスクが高まる
そういうデータもあるのです。
突然死の問題は、薬が危険なのではなくて、適切な量を超えての服用が突然死のリスクを高める、ということなのです。
しかし、この問題は未然に防ぐ手だてがあります。それは、薬の量を見直したり、血液検査や心電図の検査を定期的にするなどのモニタリングを欠かさないなどです。
リスクと未然に防ぐ手だては知っておくべきことだ。だからこそ、この問題は、「すべての統合失調症の人たちが知っておくべきことだ」―そうした議論を経て、この本を出版することになりました。