「銀の弾」は存在しない?
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著者の肩書は、現マカフィーSaaS部門CTO(最高技術責任者)。
マカフィー副社長→退社後ベンチャー企業を立上げ→マカフィーに買収→マカフィーCTO、という経緯らしい。
企業PRの側面もあるが、多くはユーザーの視点で語られているので好感が持てる。
内容は、全45章で構成されている。
以下、抜粋。
1章 壊れたセキュリティ業界
5章 セキュリティソフトウェアは役立つのか
6章 Microsoftは脅威ではない
7章 Googleは邪悪?
20章 Macは本当に安全か
21章 携帯電話は安全か
27章 仮想化は銀の弾丸か
38章 クラウドのセキュリティ
ただ、どの章も確固とした結論には至っていない。
こうしたほうがいいだろうとか、業界への警鐘や提案といった印象が強い。
1章では、”セキュリティに関しても、やはりいわゆる「銀の弾」は存在しない”と述べ、
(銀の弾:問題を解決する画期的な手法の意)
5章では、著者はMacユーザーで、アンチウィルスソフトを使っていない、と告白している。
身も蓋もない感じもするが、理由も書かれており、それなりに納得も出来る。
費用対効果という言葉に代表されるジレンマのようなものは、かなり共感出来る。