米韓FTAによってアメリカの植民地と化した韓国~日本にも忍び寄るTPPやグローバリズムの恐怖と明るい展望に迫る~
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サムスンに学べ!という人は一体サムスンの何を学べというのだろう。もちろん、サムスンが巨大なグローバル企業に成長したことは事実だが、具体的にソニー、パナソニック、シャープといった日本企業より何がすごかったのか、説明できる人は少ないはずだ。意思決定が早い。それは確かかもしれない。では、「なぜサムスンは意思決定が早かったのだろう」。考えてみれば当然だ。韓国国内でサムスンの競争相手らしい競争相手はLGくらいしかない。国内競争がないのだから(それだけではないが)、当然リスクをあまり気にせずに新しい事業に集中投資できる。
日本で民主党政権と白川総裁の率いる日銀が長らくデフレ、円高不況に対してほとんど手を打たなかったことも大きい。韓国企業はウォンが安く、人件費も安い状況で日本企業より有利な条件でグローバルに競争することができた。それを考えずに、「日本企業はサムスンに学ぶべきだ!」と叫ぶのは不毛だとしか言えない。なぜなら、学ぶべきものなどないからだ。
それはいい。日本ではアベノミクスというものを行うと宣言しただけで、その期待から大幅な円安、株高が起きた。日本の先行きは明るい。では今までウォン安で潤っていた韓国はどうなるのだろう。そもそも今、どうなっているのだろう。韓国のグローバル企業は大きくなったが、はたして韓国人は幸せになったのだろうか。もしそうでないとしたら、そこから、それこそ反面教師的に「日本は韓国に学ぶべき」なのではないだろうか。それをテーマに、本書は論考を進めていく。
韓国を考えることで、企業ではなく、国民が幸せになるにはどうすればいいか、が見えてくる。国民が幸せになることが国家の経済成長にもつながる(逆でもいいが)、ということを本書を通じてわかっていただければ幸いだ。(まえがきより)
目次
1・外国人投資家に搾取される韓国
2・全ては通貨危機から始まった
3・米韓FTAで完成した米国の支配体制
4・金持ちの金持ちによる金持ちのための政治
5・アベノミクスとレーガノミクス
6・敵との戦いとその先にある幸福な世界