『シンセミア』の悲劇から五年、新たなる悪夢が神町を襲う！
魔術師一家だと噂される菖蒲（あやめ）家に興味をもった石川は、若木（おさなぎ）山の裏手の屋敷を訪れる。そこは植物の香りに満たされ、心地よい音楽が演奏されるヒーリングサロンだった。次女・あおばの口から語られる菖蒲家の歴史は、神町の真実を暴いてゆく。若木山を信仰した祖父、菖蒲家の屋敷にユートピアを築こうとした父、別々の母親から生まれた四人の姉妹…… 一子相伝の秘術「アヤメメソッド」の正体とは？　そして、真夏の夜の神町に起きた「血の日曜日事件」の真相とは？
幻想的な世界を展開し、谷崎潤一郎賞を受賞した「神町トリロジー」第二部。