イメージコンサルタントという仕事
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いま、政治、経済、マスコミのさまざまな分野の人たちの間でイメージコンサルタントへの期待が高まっている。イメージコンサルタントとはどんな仕事なのだろうか。その仕事はどんな意味を持っているのだろうか。異色の経歴の女性コンサルタントへのインタビューを通じて、イメージコンサルティングとブランディングの最前線をレポートする。”あなたは、だれに、どう見られたいのか?″ そんな問いにこたえるヒントを満載。 就活、婚活、ビジネスにも必読!
目 次
はじめに
第1部インタビュー
パーソナルからコーポレートへ、戦略的ブランディングへ
ⅰ 契機
ⅱ 自己演出という作業
ⅲ 事業展開
第2部 パーソナルブランディングの実際
金融系コンサルタント 伊月 貴博 氏の場合
医療・介護・福祉施設経営者 佐原 幹夫 氏の場合
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はじめに(本文抜粋)
イメージコンサルタントという仕事が知られるようになったのは1950年代の終わり、J・F・ケネディがアメリカの大統領候補として登場した頃のことです。
対抗馬のリチャード・ニクソンはまだ40代前半のケネディ候補に対し、手堅く経験豊かな政治家として圧倒的な優勢を誇っていました。しかし、イメージコンサルタントが加わったケネディ陣営は、この政治的経験の浅さ、政治家にとってはマイナスともなる若さを逆にアピールするという作戦をとりました。そのやり方は徹底したもので、ケネディの髪型や服装、笑顔、歩き方、握手の仕方、さらにディベートでの反論のタイミングまでも考えられました。このコンサルティングの結果は見事な効果をもたらしました。初めてのテレビ政見放送では、アイビーモデルの服をまとったケネディのはつらつとした若さが映え、「若々しいリーダー」のイメージをつくることに成功しました。これに対してニクソンは、当時のテレビが白黒であったため、視聴者には「はっきりしない灰色のスーツを着用した顔色の悪い老人」にしか見えなかったと伝わっています。
こうしてJ・F・ケネディというアメリカ史上もっとも人気のある大統領が誕生し、同時にイメージコンサルタントは社会的にもインパクトのある新しい職業として華々しいデビューを飾ったのです。それ以降、アメリカの政治家たちが専門家のアドバイスを受けるようになったのはご存知のとおりです。
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今日、日本でもイメージコンサルタントの活躍が珍しくありません。
政治家をはじめ、メディアへの露出の多い人たちが専任のコンサルタントをかかえるようになりました。そして、最近では経済界においてもイメージコンサルタントの存在感が増してきました。企業ブランディングが注目される折から、それと一体化した経営トップの個人演出(パーソナルブランディング)が重要視されてきたといっていいでしょう。
こうしてエグゼクティブと呼ばれる層からのコンサルティング需要が高まってきたのです。企業がイメージを一新してもその先頭に立つトップの印象が旧態依然のものであってはすべてが台無しなのです。このカテゴリーには外見の好印象で売上を伸ばしたい営業職や、転職準備中のビジネスマンなども含まれると考えていいでしょう
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イメージコンサルティングは人の外見、立ち居振る舞い、話し方など、どうすれば印象良く見えるかを専門家の立場からアドバイスする技術です。初期の頃、イメージコンサルタントとして活躍する人は、美容やファッション、マナーの専門家として経験を積んできた人が多かったのですが、最近では異分野からの人材の参加も珍しくありません。本書に登場する勝谷桂子氏もそうした一人です。
リクルートで人材採用や企業広報、ブランディング戦略などの仕事を体験し、数多くの大学生や転職予備軍のビジネスマン、さらに数千人にのぼる経営者や経営幹部との出会いを経験してきました。そうした中から、個人をアピールすることで成功する人、失敗する人のセオリーを、実体験を通じて構築してきました。さらに同氏をユニークな存在にしているのは、企業トップのイメージと企業自身のイメージを重ね合わせた視点からアドバイスができるという点です。これらは他の多くのイメージコンサルタントとは大いに異なる面といえるでしょう。
同氏がイメージコンサルタントを超えた「戦略的ブランディング」をめざしているのもこうした背景があるからです。
あなたは、だれに、どう見られたいのですか?
そんな問いにこたえるヒントを、きっと本書で見つけることができるはずです。