御宿かわせみ第5弾。

「世の中には、幽霊を殺す馬鹿な奴が居りますもんで…」と、東吾に話を始めた、長寿庵の長助。
幽霊が殺されたという話を不審に思った、東吾と同心・源三郎が調べると、思わぬ事件に行き当たる。
幽霊殺しの真相とは…。

表題作ほか、「源三郎の恋」など全七篇を収録した捕物帳。

第五巻で特筆すべきは「源三郎の恋」であろう。
第一巻第一話から登場し、作品の中でも重要な役である畝源三郎は女に興味がないと思われていたが、なんと尼に恋をした？！
第五巻では、大奥の奥女中が物語に登場し、登場人物に広がりを見せる。表題の「幽霊殺し」の他、読者の意表を突く「恋ふたたび」、るいの身に危険が及ぶ「秋色佃島」など期待を裏切らない作品がそろっている。