鉄道車両の設計計画を詳しく解説する素晴らしい本
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本書は計算式*こそ含みませんが、車両の設計の基本計画に必要な諸事項(車両各部の寸法や納まりなどの考え方など)が300ページを越えて詳しく解説されています。そして「この部分はこのような考え方で設計されているのだな」と実際の鉄道車両と対比させて理解することができます。非常に読み応えがある内容で、鉄道好きの人ばかりでなく、大学の機械工学科の機械設計概論の副読本としても使えます。
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*:力学及び走行力学、駆動装置、緩衝装置設計、電気設備、空調衛生設備など。日本機械学会編『機械工学便覧(エンジニアリング編)』(1989年、丸善)の「C2編 交通」の「第3章 鉄道」で32ページにわたって鉄道の線路、法規、車両の駆動装置、緩衝装置、ブレーキ、車体設計、検査などが概説されています。走行抵抗、走行性能に関わる若干の計算式は収録されていますが、本書の内容の濃さと比較すると・・。