基本的にフリードマンは学説としては正しいが実際そう動かしてないという話
★★★★☆
副島隆彦の弟子系統の本なので景気の好不況の説明を見てたら基本的にフリードマン、バーナンキは正しいとある。
金があふれると好況で不足すると不況というマネタリストの考えは基本的に正しいとみなしてる。
ただマネーサプライ以外に「信用」があり、結局裏取引で中央銀行が銀行に指導して貸し渋りさせてるのでマネーが不足し不況になるので、潰れる銀行は潰した方が銀行の金が開放されるのでよいという話。
金利をゼロにしても窓口指導で日銀が金を貸さないようにしてるのだと。その理由が市場開放せねば不況は脱出できぬという嘘で外資に介入させるエージェントだという説。
日銀の正体を明らかにした画期的労作
★★★★★
国際金融資本による世界支配の構図は最近急激に明らかになりつつあり、
彼らによる欧米支配の歴史についてはいろいろな本で語られているが、我
が国について、すなわち日銀の歴史、正体に言及したものは見たことがな
かった。
本書はその日銀の歴史を辿ることでその正体に迫る目的で書かれた本であ
る。
市場に流通しているお金のうち、紙幣として存在する額はごくわずか
(GDP500兆円、紙幣70兆円)であり、差額分は民間銀行がお金を貸し
出すことで生まれる「信用創造」によるものだそうだ。
従って市場に流通するお金を増やしたいのであれば、銀行が貸し出し量を
増やせば良い。
ここからが核心部分で、結論だけ書くと、
・民間銀行の貸し出し額は日銀の「指導」によって事実上決定され、逆ら
うことはできない
ということらしい。
以上から導かれる結論は、「日銀が市場のお金の流通量を決めている」と
いうものである。
よって、日銀がお金を増刷する量的緩和などというのは単なるポーズ、ま
やかしで、何の効果もない。
景気の良し悪しを決めることができるのは唯一日銀だけであって、景気が
悪い状態が続いているのは日銀がそれを望んでいるからに他ならない。
本書の大半は日銀の歴史と日銀総裁の歴史を辿ることに費やされている。
それは、日銀がFRBほどあからさまに国際金融資本に支配されているもの
ではないためであって、だからと言って彼らの支配が及んでいないかと言
えばもちろんそんなことはなく、日銀総裁が国際金融資本の主役達と密接
な関係を持ち、彼らの意思を忠実に実行に移していると思われるからであ
る。
日銀が国際金融資本に支配されていることを示すのはこれほど回り道が必
要であったが、それだけに価値のあるものだと言えよう。
お金は物である。
★★★★★
金融資本の覇権交代に伴い、日銀の人事、方針もそれに伴い
変化していく様が理解出来ます。
お金には価値があり、それを裏付ける根拠があり、それを信用して、
通貨を発行し、通貨及び金融の調節を行い、物価の安定と
金融システムの安定を図るのが日本中央銀行であるならば、
お金の価値の安定を図るための法的根拠、及び物証は何であり、
日銀以外の何処の組織や機関の誰がどのように決めているのか?
という疑問の答えが、私のタイトルなのであろうか。
タイトル負け
★★☆☆☆
国立大学経済学部を出て、金融機関に勤めている者です。
題名や装丁が立派です。なので、経済学や最近の金融事象を、
しっかりと踏まえて書かれている本かと思いきや、
どちらかというと、トンデモ本の類いだと思う。
各国の中央銀行の成り立ちや、日本経済に関わってきた明治期からの人々のエピソードなど、
一つ一つの小話は面白いし、経済学の面からも、なんとなくちゃんと勉強しているように見える。
しかし、2002年からの景気回復局面を「いざなぎ景気」と勘違いしていたり
(「いざなぎ景気」を超える長さとなったので「いざなぎ超え」という言い方は良く
されたが、2002年からの景気回復局面にはまだ名前がついていない)、
経済学で裏づけする部分についても、良く読めば、
いかにも付け焼刃で勉強しました、といった感のある底の浅いものであり、
じっくり時間をかけて読むほどの本ではなかった。
副島さんの名前で買ってしまった
★★★★★
著者の事は全く知らなかったが
小室→副島→XX 系の方だとゆう事で手にとって見ました。
銀行による無からの信用創造に関して書かれた本は
すでに何冊か存在し 中でも「マネーを生み出す怪物」は
とても詳しく 的確で、しかも解りやすく説明されている。
他にもこの手の本はあるのだが
どれもFRBに焦点をあてて説明してあるので
日本人になじみのある「日銀」で説明してくれる本は
今まで無かったのでは無いかと思います。
日銀の歴史の部分は もう脱帽としか言えません。
仮説と表現していますが ほぼ事実でしょう。
結局、真実の歴史なんて
「お金」の部分を除いては説明できないわけで
学校で使われてる教科書がいかに無意味かがよく解る。
私は経済も歴史もシロウトですが本書は楽しく興味深く読めました。