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作画汗まみれ 増補改訂版

価格: ¥1,995
カテゴリ: 単行本
ブランド: 徳間書店
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   当時「漫画映画」と呼ばれたアニメーションの世界へと飛び込み、以来「生涯一アニメーター」として常に第一線で活躍したのが大塚康生である。本書は、著者の青春時代の回想録であるとともに、日本アニメ黎明期を知るひとりのアニメーターの貴重な証言記録でもある。1982年、徳間書店の「アニメージュ文庫」として上梓されたものに、今回新たに加筆訂正した。

   アニメーションは「絵」よりも「動き」だと、大塚はこだわっている。作画を担当するや否や、チャンバラの立ち回りや、数々の動物怪物、砕ける波頭など、周りが嫌がるシーンにどんどんチャレンジし、「動き」へのこだわりを次々と具現化していった。その経験から、日本(というより手塚治虫)が発明した「3コマ撮り」という省略アニメには終始批判的だが、その言葉からは他人への気遣いがうかがえる。

   東映動画時代には、不世出のアニメーション作家・宮崎駿、高畑勲と知り合った。以後『太陽の王子ホルスの大冒険』をはじめ、『未来少年コナン』『ルパン三世 カリオストロの城』『じゃりン子チエ』などを一緒に制作した。傍らに稀代の演出家が2人もいたせいだろうか、大塚は演出には食指を伸ばさず、専らアニメーターに徹した。

 「キャラクターを動かすことによって、キメの細かい演技をさせるのがアニメーション」であり、「世代を越えて鑑賞できるアニメーションを」という作者の熱意が、優しさとユーモアを含んだ語り口から、地熱のように感じられてくる。(文月 達)

汗まみれの人生に涙 ★★★★★
ルパン三世ファンに必見の裏話満載!
と思って手にとったのですが
それどころかこの本はアニメーターだけでなく
全ての人にとって人生の教科書となるに違いありません。
思わぬ宝物の一冊になりました。

大塚さんが日本アニメーションの創世記に
どれほどアニメーションに情熱を注いだか、
そしてその情熱ゆえに苦しみ、楽しんだまさに汗まみれの姿に
励まされ、泣かされます。

虫プロダクションの登場によって
日本アニメーションが省略アニメに向かわざるを得なくなったとき
高畑勲さん、宮崎駿さん、大塚さんはじめ当時の東映動画スタッフが
まさに渾身の一撃として製作した「太陽の王子 ホルスの大冒険」。
この製作過程を描いたくだりは読んでいて胸が熱くなります。

仕事に、人生に悩む人もそうでない人も、ぜひ!!!
「アニメは素晴らしい」と思い出させてくれる ★★★★★
アニメーションが嫌いになりそうになったとき
好きな場所を再読するようにしている本です。
「萌え」とか「ジャパニメーション」という言葉には
ほとほとウンザリしますが、本書で大塚氏の崇高な職人魂に触れると
やっぱりアニメは素晴らしいと再確認できる。

ものを作るということは、一体どういうことなのか?
それを考えるきっかけを与えてくれる本。

CG全盛の今のアニメには関係ないことかもしれない(泣) ★★★★★
「大塚康生インタビュー」読了後、即購入。
内容があまり被っていないとのことだったので
楽しみにしていた。

大塚さんが、アニメの世界に入るところからの半世紀が
こと細かく記されている。
ちょっとした昭和アニメファンなら知っている人達の作画に対する思いの違いが
ちょくちょく出てくる。
大塚さんは、どちらが正しいという事は言わずに
自分は動かす方(東映系)が好きだと明言。
それは、好みの問題で
リミテッドアニメにも、良い処はあるという風に
全否定しているワケではない。

宮崎駿と高畑勲の両名が
いかに不世出の才能かが良く分かるエピソード続出である。

これは、監督と作画人との戦いの記録でもある

「コスモゾーン」製作中の虫プロスタッフが枚数かけなくてもいい処に
無駄に枚数をかけているのに全く気付いていないのと同じく
基礎訓練が出来ていないアニメーターには
この本を読んでも何のことかピンとこない人もいると思われる。
最初にどの先輩につくかで
その後の力量が、どのように差がついていくか
つくづく偉大な先輩というのは、本当に偉大なんだなと思う
基本史料として重要。ただし批判的に読む必要。 ★★★★★
 まさに東映一派の自画自賛。組合同志の宮崎や高畑を持ち上げる一方、手塚治虫のことは、これでもか、というくらいに、繰り返しバカにしまくっている。高橋茂人のことは、いっしょに仕事をしたこともあるせいか、すこしは遠慮しているが、嫌っているのだろう。
 手塚的アニメの流行に対し、常に負け組だった東映的アニメーションこそ正しい、ということを、1982年(『ナウシカ』84より前、『カリオストロ』79より後)、アニメージュ文庫で語ったものに、ジブリの成功後、手塚憎しの文を書き足したもの。
 秒8コマの手塚より、秒12コマのフルアニメーションの方がすごい、ということの繰り返し。それなら秒60コマ(パソコンならできるぞ)の方がえらいのか。手塚がもともとペープサートから入っていったことは、まったく知らないらしい。労組紛争のドロドロのことも、委員長みずから自画自賛。実現しなかった『リトルニモ』(『ファインディング・ニモ』とは無関係)のいきさつも長々。なぜ東映的アニメーションがことごとく興行的に失敗で、空中分解したのか、東欧の共産主義者なみに反省する気はないらしい。
 作った人がなんと言おうと、『安寿と厨子王丸』だけでなく、当時の観客として、長靴シリーズ以前の東映の長編アニメは、総じて、はげしくつまらなかった。致命的なのは、登場人物はもちろん肝心の主人公にすら、存在感も魅力も無かった。そのうえ、肝心の話が凡庸。動きがどうこう以前の問題だと思うのだが、いまだに、キャラも、描きやすいかどうか、で論じ、話も、起承転結がどうこう、説くなど、これでは、失敗した理由もよくわかるというもの。
 手塚や高橋がアニメの著作権をプロダクションとして握って国際進出に成功したのに対し、それを古い教条主義的アニメーションの制作方法とノウハウに固執して内部から潰し、結果として、いまのような下請的製作体制にしてしまった人々の動きと考えというのも、アニメ史を考える上では重要。
日本アニメの製作史を知るための貴重な資料 ★★★★☆
若い頃この本を読んで「アニメを作るのはこれほど大変なんだ。作り手はここまで考えて制作しているのか」と驚いた経験があります。日本のアニメの黎明期を知るアニメーターの貴重な記録です。また宮崎駿さんは、若い頃の血気盛んな様子も伺えます。「安寿と厨子王」に出てくる「大川博」とは、当時の東映の社長ですよ。

 この本に出てくる「太陽の王子ホルスの大冒険」などをレンタルビデオ店で見れば、よりこの本の言いたいことが判ると思います。