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フレッド・アステア自伝 Steps in Time

価格: ¥2,940
カテゴリ: 単行本
ブランド: 青土社
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【セブン-イレブンで24時間受取りOK・送料0円!】 著者/訳者名:フレッド・アステア/著 篠儀直子/訳 出版社名:青土社 発行年月:2006年11月 関連キーワード:フレツド アステア ジデン ふれつど あすてあ じでん、 セイドシヤ セイドシヤ 3978 せいどしや せいどしや 3978、 セイドシヤ セイドシヤ 3978 せいどしや せいどしや 3978 ダンサー、映画スターとしてブロードウェイとハリウッドの数多くのショウを彩ってきた優雅さの向こうに見える、ひとりの男性、芸術家の真実の姿とは。20世紀前半のエンタテインメントの世界を、情熱的に、パートナーへの感謝と親しみを込めて、本人自らの言葉で踊るように華麗に語り尽くす。 あらかじめ考えたことオマハニューヨークプロたち難しい年頃ビッグ・タイム大きく前進ブロードウェイディリンガム大失敗作の結果ロンドンレイディ、ビー・グッド!競走馬ファニー・フェイスバンド・ワゴンフィリスハリウッド最後の舞台フェザーズジンジャーなしで興行の癌ミュー
すばらしいダンスキャリア ★★★★☆
訳者あとがきによるとフレッドアステアは1899年5月に生まれている。
ニューヨークでヴォードヴィルの舞台に立ったのは1917年だから18歳のときである。それから姉のアデーると共にダンスのキャリアを積み重ね、映画出演第一作「ダンシング・レディ」は1933年である。私はまだ生まれていない。
アステアの映画になじみだしたのは第二次世界大戦後である。それまでに幾つか白黒映画が公開されていたようだが、映画少年として私がアステアの映画を本格的に見るようになったのは、カラー作品「イースター・パレード」あたりからだ。ミュージカルの楽しさを堪能し、そのダンスステップの鮮やかさに驚嘆した。それからは「バンドワゴン」「足ながおじさん」「パリの恋人」などを経て「渚にて」などの一般映画にも出演するようになった。
この本の前半は、アデーると組んで踊ったヴォードヴィル時代を詳細に述べている。それはそれとして、自伝としては当然のことなのだが、映画を通してしかアステアをしらない読者にとっては、この時代の彼の交友関係、出演者などとして揚げられる名前は「固有名詞の群れ」でしかなく、カタカナ名前の羅列である。
後半は愛妻フィリスとの幸福な結婚生活、映画初出演となる「ダンシング・レディー」(1933年)に出演の経緯、「空中レビュー時代」「トップ・ハット」などのダンス映画での、さながら天魔空を行くがごとき大成功の連続、馬主としての生活など、漸く我われになじみの深いタップダンサー、アステアの時代の詳述に入っていく。この時代はオールド映画ファンにとっては非常に興味深いエピソードで飾られている。
我われ日本人映画ファンにとっては、前半は冗長、後半は大いに面白い。
訳文はこなれているが、紹介されるダンス・ナンバーのタイトルなどが、ことごとく原題をそのまま片仮名化しただけでならべてあるので、少しは英語の素養の無い人にはチンプンカンプンかもしれない。映画ファンとして前半部分に余り興味がもてなかったので☆4つにさせてもらった。
読みやすく、楽しい。 ★★★★★
待望の翻訳! 版元と訳者には感謝したいです。
訳者があとがきで書いていますが、アステアの英語は、
明快でテンポ良く、彼のダンスそのものだそうです。
訳文も平易で、まことに面白く読めました。

通常我々が知っている彼は、ジンジャー・ロジャースと組んだ、
RKO時代の約10篇の映画以降。
ですが、本書の前半半分を占めているのは、姉アデールと組んで、
ボードヴィルの子供芸人からミュージカルコメディの若手花形スターへと
一歩一歩上り詰めてゆく過程。
未知の固有名詞のほうが多いけれども、そこはアステアのステップ同様、
語り口の妙が冴えており、ほんとに引き込まれてしまいます。
後半、良く知っている作品や映画人が出て来てからの楽しさは、もう言わずもがな。

ジンジャー・ロジャースとの共演作を見た方はもちろん、
アンソロジー「ザッツ・エンターテインメント」などで、
アステアの踊りのワンシーンでも見た方もぜひ。
もしも、あなたが映画好きならば。 ★★★★★
ぜひやってほしいことが2つある。一つはヒッチコック作品を観ること。もうひとつはフレッド・アステア出演作品を観ること。この2つには大きな時代の分岐がある。アステアがまさしく「トップ・ハット」であったミュージカル・コメディ全盛のアメリカでは銀幕はつまり「光」を意味した。そしてヒッチコックが渡米して数々のミステリー映画を送り出し、映画に新しい深みを与えた。その深みとは「闇」。アステア全盛期の作品では実に劇中では「誰も死なない」。そしてヒッチコックでは「誰かが死なないと話にならない」。

このアステアの自伝は、アステア作品を一度も観たことがない(不幸な)映画ファンが読んでも面白くもなんともないだろう。しかし、たったの一度でもアステア作品を観たことがある(幸福な)映画ファンが読めば心からの賛辞を送り、早速もっとたくさんのアステア作品を観たいと思うだろう。

アステアはただひたすらに自らの幸運と幸福を語り尽くす。あらゆる失敗を楽しみ、哀しみを克服する術を持っていた稀有な人物である。それは本書で、彼が一度も一言も誰かの悪口雑言を吐かないことによって証明されている。全てが光そのものなのだ。ゴシップはない。およそ笑顔ばかりで「涙」という言葉すらも出てこない。最愛の妻の死に臨んでも尚、彼は「涙」という言葉さえ使わなかった。そのすさまじい勇気に感嘆する(泣いたほうが本は売れただろうに・・・)。

かつて「ジーン・ケリーは素晴らしい芸を見せた。しかし、アステアは芸ではなく、芸術なのだ」とどっかで読んだ。今、僕は思う。様々な今の映画でアステアのダンスの再現を試みた映画(例えば「マトリックス」の宙を浮かぶカンフーがそうだ)を観る。確かに驚くほど素晴らしい。しかし、あれは「技術」なのだ。アステアは「芸術」だ。
アステアファン必読 ★★★★★
スマートで洗練されていて、優しくて、愛すべき心配性であるフレッド・アステア。この本を読んで、やっぱりアステアのファンでよかったなぁ、と思いました。

この本は、アステアが非ミュージカル映画に出演するより以前の、ボードヴィル,ブロードウェイ,ミュージカル映画でのキャリアについて多くのページが割かれていて、特に舞台時代については、スターの座に登りつめるまでの過程や、出演した作品について、かなり詳細に活き活きと書かれています。一方、私たちがよく知っているミュージカル映画については、ファンが知りたいと思うような裏話はあまりないかもしれません。誰に対してもイヤ気分にさせたくない・傷つけたくないという気持ちから、実際にあった深刻な揉めごとや、誰かしらとの確執などにはあえて触れていないのかな、と思います。

「わたしはただ踊るだけだ」、アステアはこの本の最後でこう結んでいます。
彼がどれほど洗練されているダンサーであるかということは、色々な人が色々な言葉や文章で表現していると思いますが、私は、彼のスマートさは、この芸術家ぶらない彼の姿勢から生まれるものではないか、と感じました。

余談ですが、どういう経緯で今になって出版されることになったのか、とても興味があります。1989年に日本でも出版された、ボブ・トーマス著の「アステア ザ・ダンサー」の翻訳者・武市好古さんの講演を聞いたことがあるのですが、武市さんがこの本の日本での出版について、出版社に企画をもちかけたところ、「アステアのような順風満帆にトップになったハリウッドスターの伝記なんて面白くない」と渋い顔をされた、とおっしゃっていました。実際、出版してみると、本の売上げはまずまずだったそうで、この本も、全てのアステアファンの方に読んで頂いて、時代を超えて生のアステアを直に感じて欲しいと思います。