しかし、性格検査とは違って、こう言った検査を教えてくれる機関が殆ど無いため、医者から、高次脳機能の評価、と言った検査依頼が出た時に臨床現場の心理技術者は困り果てることが多いのではないだろうか。そんな時、力になってくれそうなのがこの本である。脳の障害が引き起こす様々な症状の説明及び、症状を映し出すのに適した神経心理学的検査法が紹介してあり、今までに発行されることがなかった神経心理学的検査の取り扱いマニュアル本、と言った感じである。
尚、心理技術者だけでなく、福祉・リハビリ関係者もこの本を参考にすると、役に立つと思われる。高次脳機能がどんなものか知ることで、担当しているケースの問題点に目が向き易くなるし、検査結果から症状が読み取れるようになってくるだろう。