須磨氏はＮＨＫ「プロジェクトＸ」にも登場し，心臓バイパス手術の名医として知られた人物です。この本では，須磨氏を始め，大人が真剣に取り組んでいる仕事場の一つとして医療現場がとらえられています。そして，命の意味を考える時に，その内容だけではなく考え方までも問うています。それに対しての小学生なりの感想・感動が素直で，子供たちが通常置かれている状況を再認識させてくれます。
2002年4月から小学校で「総合的な学習の時間」がスタートして，現場の教師は暗中模索を続けています。子供に何を教えようか？を考える前に，何が本質なのか？を，教師自身が考え始めるのに大きなヒントになるように思います。

学校で子供達に心臓の話や、外科手術の説明をしたり、病院で手術を子供達にみてもらったりする非常にわかりやすい内容ですが、須磨先生の命に対する考え方や医師としての使命なども書かれてあり、人とのかかわり方や人としての生き方など、哲学的なことが学べる大変すばらしい内容です。