テッド・チャン待望の新作は、あまり難しい単語もなく、さらっと読める中編でした。装丁もどことなく無印良品っぽいセンスのハードカバーで、好感を持ちました。

ただ、コンピュータ上の動物型AIは可愛らしいものの、人間の登場人物がみんな薄っぺらいのが気になりました。全く意外性がないというか、何年経っても精神的に成長せずというか。あえてAIの成長ぶりと対比しているわけでもなさそうだし。

テッド・チャンのファンは、彼の作品に深い人物描写とかは求めていないのかもしれませんが、着想がいつも興味深いだけに、これでもっと魅力的な登場人物が出てくるようになれば、より幅広い層に支持されそうな気がするんですけどね。まぁ、それは今後に期待、ということで。